「神田伯山ティービー」(動画)

講談師・神田伯山さんのユーチューブチャンネル「神田伯山ティービー」に先日upされた動画は、講談「天保水滸伝」の舞台となった地域に行き、地元の老人に天保水滸伝の登場人物などについて説明していただくというものでした。

その動画の中で伯山さんが小説家・子母澤寛の名前を出してくれたので、子母澤寛と同郷の私はすっかり嬉しくなってしまいました。

 

子母澤寛 - Wikipedia

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一部の作品しか読んでいない私ですが、私のおすすめは「勝海舟」と「父子鷹」です。

子母澤寛が小説を書き始めた頃は幕末から明治を生き抜いた人達が存命だったため、元新聞記者だった彼は、実際にその時代を生きた人たちから当時の話を聞き、資料を集めて「新選組始末記」などの小説を書いたそうです。

ちなみに司馬遼太郎はこの時代の小説を書く際に、膨大な取材に基づいた子母澤寛の作品も参考にしたと語っています。

何巻かは忘れましたが「街道をゆく」には、司馬遼太郎子母澤寛が生まれた厚田村を訪れた際の話もあったはずです。

 

子母澤寛に関わる部分は2:00~と5:50~あたりからです。

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神田愛山・神田春陽・神田伯山による天保水滸伝の車読み(リレー)

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参考:

わたしの講談字引 | わたしの講談事始

 

 

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「私の知能テスト体験談」

当院には発達障害自閉症などの診断を受けた子供たちがこれまでに多数来院しており、ご両親から知能テストの結果について相談されることがあります。

特に小学校入学前のお子さんですと、小学校は普通学級が良いのか支援学級が良いのかと悩まれるご両親が多数いらっしゃいます。

私個人の考えでは、もしボーダーライン上ならば様々な経験をするために普通学級に行くことをお勧めしています。

更に、知能テストに関しては子供の性格面がその結果に大きく関係していると私は考えています。

 

今回は私が小学校5年生で知能テストを受けた時のことを書きたいと思います。

私が小学校5年生というと今から40年以上前の昭和の時代ですから、今とは違いあらゆることがユルい時代でした。

子ども達が知能テストを終えた後、令和の世では考えられないことですが、担任のK先生は自分一人で生徒全員の採点をするのが面倒だったのか、知能テストの採点を生徒達に手伝わせました(結果的に誰の知能指数がいくつということを、生徒全員が知ることになりました)。

知能テストには立方体を様々な形に積み上げたものの数をかぞえて記入するような記入式のものもありましたが、その多くは選択式の問題だったと思います。

私も知能テストの結果を先生の指示で採点しましたが、その採点方法が私にとっては衝撃的でした。

私はテストを受ける際に、いくら沢山の問題を解いても間違いだらけではダメだろうから、知能指数を出すには正解率も加味されるのだろうと勝手に自分なりに解釈をし、出来るだけ正解率を上げるようしっかりと考えて答えを記入するようにしていました。

しかし採点方法をみると、ただ単純に正解数だけをカウントするという形でした。

方法はというと、例えば「上の図形と同じ図形のものに〇をつけなさい。」という問題があれば、正解の解答部分だけが丸く切り抜かれた厚紙をページの上に載せ、その切り抜かれた部分にいくつの〇が記入されているかを数えていくというものでした。

私は正解率を上げようと努力したために、時間が足りなくて最終問題までたどり着けないページもあり、その採点方法を見て「ふざけるな!」と思いました。

とくに最終ページの問題は苦労して、かなりの問題を残したまま時間切れとなってしまったため「こんな単純でくだらない採点方法だと知っていれば、もっとたくさん答えられたのに・・・」と、ものすごく腹立たしかったのを覚えています。

今回インターネットのヤホーで、当時の最終問題と同じような問題がないかと探してみましたが見つけることが出来なかったので、自分なりに似たような問題を一問作ってみました。

 

問題は2つの図形が様々な形態で並んでおり、その2つの図形が全く同じ図形ならば、下にあるカッコに〇を記入するというものでした。

 

以下は私が作った問題↓

 

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上の図形だと鏡像になっているため、カッコに〇は入りません。

下の図形だと、左右が同じ図形なのでカッコに〇と書くことになります。

 

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この最終問題、途中からかなり難易度が高くなり私は正確性を求めるあまり、多くの問題を残したまま時間切れとなってしまいました。

しかし最初に書いたような採点方法だと、仮に多くの間違いを犯してもその部分は厚紙の下に隠れているわけですから、点数には全く影響がありません。

大雑把な性格の人間が、しっかりと確かめもせずにどんどん〇をつけてしまえば、高い点数を得ることになります。

極端なことを言えば、考えるのが面倒だからと全ての問題のカッコに〇をつけてしまえば最高得点が得られるわけですから、素晴らしい知能を持った人間という結果になってしまいます。

知能テストの結果というものがいかにその人間の一面しか見ていないかということが良く分かるのではないでしょうか?

オステオパシーの施術を受けると子供のIQ値が上昇するケースが多いのは確かですが、それだけではなく情緒面、運動面など多岐に渡る変化がありますし、その理由に関しては私なりの理論があります。

専門家と呼ばれる医師の中にはIQの数値など、曖昧な基準によるごく狭い範囲の材料から個性を持った子供を画一的に判断しようとする人達がいますが、人間という奥深い存在を数字だけで判断するなど言語道断です。

人間はBody、Mind、Spiritを有した三位一体の存在なのですから。

 

 

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「今日の映画『コレクティブ 国家の嘘』」(動画)

現在、全国のミニシアター系映画館において上映中の映画「コレクティブ 国家の嘘」を観てきました。

私が観た映画館は、ヒューマントラストシネマ有楽町。

 

映画「コレクティブ 国家の嘘」公式サイト|10月2日(土)ロードショー

 

ヒューマントラストシネマ有楽町

 

「コレクティブ 国家の嘘」概略

2015年10月30日、東欧ルーマニアブカレストのライブハウス「コレクティブ」で実際に起こった火災を発端に、明らかになっていく製薬会社や病院、そして政府や権力へと繋がっていく衝撃的な癒着の連鎖。

本作は、命よりも利権や効率が優先された果てに起こった国家を揺るがす巨大医療汚職事件の闇と、それに対峙する市民やジャーナリストを追った、フィクションよりもスリリングな現実を捉えたドキュメンタリー映画

 

「コレクティブ 国家の嘘」あらすじ

2015年10月30日、東欧ルーマニアブカレストのライブハウス「コレクティブ」でライブ中に火災が発生。

27名の死者と180名の負傷者を出す大惨事となったが、一命を取り留めたはずの入院患者がその後の数か月に複数の病院で次々に死亡、最終的には死者数が64名まで膨れ上がってしまう。

カメラは事件を不審に思い調査を始めたスポーツ紙「ガゼタ・スポルトゥリロル」の編集長を追い始めるが、彼は内部告発者からの情報提供により衝撃の事実に行き着く。

その事件の背景には、莫大な利益を手にする製薬会社と、彼らと黒いつながりを持った病院経営者、そして政府関係者との巨大な癒着が隠されていた。

真実に近づくたび、増していく命の危険。

それでも記者たちは真相を暴こうと進み続ける。

一方、報道を目にした市民たちの怒りは頂点に達し、内閣はついに辞職へと追いやられ、正義感あふれる新たな保健大臣が誕生する。

彼は、腐敗にまみれたシステムを変えようと奮闘するが・・・。

 

「コレクティブ 国家の嘘」予告編

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主な登場人物

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私がこの映画を観に行ったのは水曜日の午前中。

座席数は162席とそれほど多くはありませんが、上映が平日の午前10時スタートにも関わらず、最前列などの一部を除きほとんどの席が埋まっていました。

私と同じように、今この時期に観ておくべき映画だということを多くの日本人が感じたということではないでしょうか。

この時期に「ヒューマントラストシネマ」という名の映画館で「コレクティブ 国家の嘘」を上映するとか、タイムリー過ぎです。

 

現在の日本は社会システムがあまりにも巨大になりすぎて、客観的に見て明らかにおかしいと思うような事柄があったとしても「どうせ自分が何か言っても、何も変わらない」と考え、何もせずに傍観者のままでいる人が多いのではないでしょうか。

何もしなければ状況は現状のままか、更に悪化するだけでしょう。

しかし、この映画の登場人物達のように僅かな人間でも行動を起こせば、状況を変えられる可能性が出てきます。

 

話は若干逸れますが、昨年から今年にかけて私のブログに何度か登場しているamazarashiのライブが、厳重な感染症対策のもとに先日行われました。

ライブに来ていたのは、今どきの髪形や服装をした20代くらいの男女が多かったのですが、このような若者達がamazarashiのライブに多数来ているのを見て、これからの日本に少し安心したことをこの記事を書いていて思い出しました。

 

 

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「中村哲医師のDVD」(動画)

中村哲医師の著書を数冊読みましたが、中村医師がアフガニスタンにおいて水路を作る際に参考にした山田堰の構造など、文章では分かりにくい部分があったため中村医師のDVDを購入してみました。

まずは山田堰について。

 

山田堰 | 朝倉市

 

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こちらは中村医師が参考にして鉄製で同じものをアフガニスタンに作った、福岡県朝倉市菱野の三連水車↓

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2010年当時の報道番組の内容がyoutubeにupされていました↓

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2020年度ペシャワール会現地報告会、1:30~22:30でPMSペシャワール医療サービス)方式の灌漑事業について、分かりやすく説明されています。中村医師は50歳を過ぎてゼロから土木工学を学び、この事業を完成させました。

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中村医師のDVDより、内容を一部紹介いたします↓

 

DVD「アフガニスタン 用水路が運ぶ恵みと平和」より

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DVD「荒野に希望の灯をともす」より
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現在、当院において中村医師の著書とともに、これらのDVDも貸し出しておりますので、特に当院に来ている中学生、高校生、大学生くらいの年代に見ていただきたいと思っています。

中村医師は著書の中で、現在の若い世代に対する大きな希望をたびたび語っていました。

 

では最後に中村医師の著書「天、共に在り」の最後の文章を紹介いたします。

 

しかし、変わらぬものは変わらない。

江戸時代も、縄文の昔もそうであったろう。

いたずらに時流に流されて大切なものを見失い、進歩という名の呪文に束縛され、生命を粗末にしてはならない。

今大人が唱える「改革」や「進歩」の実態は、宙に縄をかけてそれをよじ登ろうとする魔術師に似ている。

だまされてはいけない。

「王様は裸だ」と叫んだ者は、見栄や先入観、利害関係から自由な子供であった。

それを次世代に期待する。

「天、共に在り」

本書を貫くこの縦糸は、我々を根底から支える不動の事実である。

やがて、自然から遊離するバベルの塔は倒れる。

人も自然の一部である。

科学や経済、医学や農業、あらゆる人の営みが、自然と人、人と人の和解を探る以外、我々が生き延びる道はないであろう。

それがまっとうな文明だと信じている。

その声は今小さくとも、やがて現在が裁かれ、大きな潮流とならざるを得ないだろう。

これが、三十年の現地活動を通して得た平凡なメッセージである。

 

 

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「中村哲医師の著書」(本)

アメリカ軍の撤退により様々な混乱が伝えられているアフガニスタンですが、私の中にアフガニスタンという国についての知識があまりにも少なかったので、中村哲(なかむらてつ)医師の著書を数冊購入して読んでみました。

中村哲医師は当初医療支援のためにアフガニスタンにおいて、主にハンセン病患者の治療を行っていました。

しかし、干ばつによる飢餓や衛生状態の悪化のため死亡する子供や老人、難民化する人達を見て、医療よりも水と食料の確保が先決と、アフガニスタン国内に約1,600の井戸を掘り、更にゼロから土木工学を学び、地元福岡に古くからある山田堰を参考に総延長約27kmの灌漑水路を完成させて16,500ヘクタールの農地を再生、65万人が再び自活できるようにしました。

2019年、中村医師は武装勢力に銃撃され死亡しましたが、現在も彼を支援していたペシャワール会により医療、農業、用水路事業は継続されています。

 

中村哲 (医師) - Wikipedia

 

ペシャワール会のサイトからアフガニスタンの現状。主要メディアのニュースよりも現地の様子が良くわかります↓

www.peshawar-pms.com

 

NHKニュースから↓

www3.nhk.or.jp

www3.nhk.or.jp

 

アフガニスタン関連のニュースでは「タリバン」という言葉が頻繁に出てきますが、澤地久枝さんが中村哲医師に行ったインタビューを書籍化した「人は愛するに足り、真心は信ずるに足る」から、中村医師がタリバンについて語っている部分です↓

 

澤地:

まず食べられて、生きていけなければ定着性をもてないから、教育も身につかないでしょう。

 

中村:

そうだと思います。われわれが慣れているのは、いわゆる国民学校です。しかし、農村地帯に行くと、伝統的な寺子屋といいますか、モスクを中心にした識字教育などをするところ---マドラッサといいます---があって、国民学校はそれと並存している状態なのです。

特に米軍が入ってきたあとは、そのモスクを排除して国民学校を増やそうとしています。国連も、欧米の団体、日本の団体も、マドラッサは援助から外しています。いままで、モスクを中心に行われてきた学校教育は、危険思想の中心だという考え方が、どこかにあるんでしょうね。モスクを中心にした寺子屋方式の教育という、昔から地元に根付いたものがなくなるのは、地域のアイデンティティがなくなるに等しいわけです。国民学校もけっこうだけれども、マドラッサの建設もやってくれと言っても、その要望は通らないです。それどころか爆撃の対象にしている。

マドラッサで学んでいる子供を、タリバンというのですが、それはアラビア語です。単数形がタリブ、複数形がタリバンですが、マドラッサで学ぶ子どものタリバンと、政治勢力としてのタリバンは違うのです。その区別もよくわからずに、「タリバン終結している」というので爆撃して、「タリバンを80名殺した」と新聞に載る。死んだのは皆、子供だったとかね。タリバン=過激思想の持ち主じゃないんですよ。

 

澤地:

先生たちが井戸を掘るときに、タリバンの兵士が一緒に働いたりしていますよね。

 

中村:

その場合のタリバンは、いわゆる政治勢力としてのタリバンですけれども、その名称そのものは「学童」だとか、「ミッションスクールの生徒」というのに等しいわけです。それと政治勢力は違うという、現地で通用する常識すら知ろうとしない。無視してるみたいです。

たしかに、マドラッサを中心に、いわゆる政治勢力としてのタリバンが発生してくることは事実ですけれども、マドラッサと聞いただけで、外国から来る人は嫌悪する状態です。あれも、よくないですよね。過激思想をどう定義するかは別として、政治性をもったマドラッサはむしろ少ないですよ。マドラッサというのは、日本ではあまり知られていなくて、「タリバンを生み出すところ」ぐらいの理解しかないですが、実際は、地域の共同体のかなめなんです。

あそこは、基本的に自治の社会ですから、たとえば各村が争っているときに、その調停役になるのがマドラッサなのです。ですから、その地域に不可欠の要素であるわけですが、なかなか外国の人がそれを理解してくれない。これは僕の言葉ではなくて、アフガニスタンの教育大臣の話です。

マドラッサがないことには、アフガニスタンの地域共同社会というのは成り立たないということを、彼は強調していました。しかし、マドラッサ=タリバンという連想で、国連は援助項目から外している。そのことを嘆いていました。

 

 

次にアルカイダについて、同じく「人は愛するに足り、真心は信ずるに足る」から、

 

中村:

アルカイダが育つ地盤というのは、はっきり言って、アフガニスタンの農村にはないと断言できます。というのは、アルカイダのアラブ系のひとたちを見ていると、非常に裕福な家庭に育っていますね。タリバンと違う点はそのあたりで、いわば都会化された・・・・・。

 

澤地:

高度に教育された・・・・・。

 

中村:

エリート的な人たちを中心とした人たちです。一方、タリバンというのは、日本でいえばさしずめ、普段は肥たごを担いで、畑に撒くような、田舎っぺというか・・・・・。

 

澤地:

ローカルな人たちですね。

 

中村:

非常にローカルな人たちです。アルカイダタリバンはずいぶん違う。アフガンの純朴な人たちは、たまたまイスラム教という同じ宗教で、アラブの国からやってきた信仰深い人たちだなぁという以上の受け止め方をしているとは思えない。

 

澤地:

一つ一つの集落が、わりにきちんとしていて、たとえ同じイスラムの人であっても、よそ者が簡単に入り込めない感じがしますね。

 

中村:

ええ。

 

澤地:

たとえば、アラブで教育を受けて逃げてきた人が、突然、ここで一緒に暮らしていけますかね。

 

中村:

金の力でやった人たちもいますけれども、それはやむを得ず。皆、食えないから・・・・・。ワッハーブの人たちがアラブから大量にやってきたことがありましたが、皆、食えないからやむを得ず従ったというだけの話で、それ以上のものではなかったですね。それも、ごく一部の地域で、ほかの地域は、それに反感をもっていました。

あの当時、ソ連イスラム教勢力の戦いというふうに二分法で分かれる戦いじゃなくて、ゲリラ同士もかなり激しい戦闘をしていたんですね。それはアラブ系の入った地域になびいた人々と、それに反発するオリジナルのグループとの対決。これがかなり強かったですね。いわゆるアラブアフガンです。

逆に言うと、それだけアフガニスタンという国全体が伝統的な体質を尊重する国だということで、そこからは、われわれが想像するような国際テロ組織というのは生まれようがない。コンピュータを駆使して、飛行機を乗っ取ってというような芸当が、あのオジサンたちにできるはずがない。いわゆるテロ実行犯というのは、アラブ系のエリートで、ほとんどがドイツ、アメリカ、イギリスで育った若者たちです。

 

澤地:

そうですね。

 

中村:

だから、この戦争そのものがおかしいのは、皆が言っているようにそれですよ。「うちから、どのテロリストがアメリカにわたって米国人を攻撃しましたか」と。テロの温床は、じつは先進国の病理です。

だから、むしろアメリカの病は自分たちのなかにある。それを外に転嫁して、タリバン掃討だとか言っているわけです。

 

以上、「人は愛するに足り、真心は信ずるに足る」より。

 

平穏に生活している村に、いきなり外国の兵士がやってきてモスクやマドラッサを破壊し、コーランを破り捨て、罪のない子供たちの命を奪う。

日本で言えば、いきなり攻め込んできた外国軍が神社や仏教寺院を破壊し、仏教の経典を破り捨て、罪のない子供たちの命を奪うようなものでしょう。

イスラム教はアフガニスタンの人々の中に深く根ざしていますからモスクやマドラッサを破壊し、コーランを破り捨てることは、日本人が考える以上のものに違いありません。

そしてさらに、罪のない家族の命を奪うのですからアフガニスタンの人々の悲しみや憎しみは計り知れません。

中村医師の著書には、戦争により子供を失った母親が自爆テロに志願して亡くなる話、あるいは誤爆により幼いころに両親を失った男の子が成長して武装集団に入り、若くして外国軍との戦闘で亡くなる話などが出てきます。

日本におけるアフガニスタンに関する報道といえば、もっぱらタリバンを批判する内容ばかりですが、結局のところ新たな(政治勢力としての)タリバンを生み出しているのはアメリカを中心とした、アフガニスタンを攻撃してきた諸外国という側面があるのではないでしょうか?

やはり単にテレビのニュースで知ったつもりになるのではなく、真実は出来る限り自ら探して知る努力をしなければいけません。

 

こちらはマルワリード用水路完成前後の写真↓

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中村医師の著書、読みたい方は貸し出しいたします。

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次回は、中村医師のDVDのご紹介。