「ユリイカ」&「グッドバイ」 (動画)

予約していたサカナクションのNewシングルが届きました。 今回は初の両A面で、曲名は「ユリイカ」と「グッドバイ」。 サカナクションは、以前にもブログで「バッハの旋律を夜に聴いたせいです」 のMVや、幕張メッセでおこなわれた「SAKANAQUARIUM2013」の 感想などを書きましたが、やはり私がいま一番好きなバンドなので、また 書いてしまいます。 「バッハの旋律を夜に聴いたせいです」 「SAKANAQUARIUM2013」 2013年のサカナクションは、本当に多忙な一年だったと思います。 それまではライブ、CD、ミュージックビデオなどでどちらかというと 地味に活動していたのが、昨年は苦手なテレビの音楽番組にも積極的に 出演し、ドラマ、映画、CMなどのタイアップ曲も作り、大晦日には NHKの紅白歌合戦への初出場も果たしました。 傍から見ていると、すばらしい一年だったように感じますが、リーダーの 山口一郎君からすると、かなり辛い年だったようです。 もともと、どちらかというと職人的な気質で、自分たちの作品にとことん こだわり「どれほど聴いた人間、見た人間に衝撃を残せるか」をめざして きた山口君。 より多くの人達に自分達の音楽や映像を届けるための一つの手段として テレビの音楽番組に出たり、タイアップ曲を作ったり、ということを 始めた訳ですが、それが一人歩きしてしまい求められた曲を作るという 仕事が増えて、本当に自分たちのやりたいことが出来なくなっていった ようです。 山口君はただでさえ、以前から突発性難聴を発症しているのに、さらに 自分が本当にやりたいことをできていない、というストレスから全身に 蕁麻疹が出たり、精神的なバランスが崩れて周囲の人達を責めたりして 一時は「もう音楽なんてやりたくない」と思うところまで追い込まれた そうです。 今回のニューシングルも最初は映画「ジャッジ」のエンディング曲の 「ユリイカ」と、東進ハイスクールのCM曲の「さよならエモーション」 という、2曲のタイアップ曲が収められることに決定していましたが 山口君が「今はどうしても、このノンタイアップの『「グッドバイ』を 出したい」と、ビクターの関係者や東進ハイスクールの関係者にお願い したところ、周囲も山口君の気持ちを理解してくれて、曲を差し替える ことになったそうです。 では山口一郎君がラジオで語っていた内容です。 「この曲で書いている歌詞は、いつも僕がスタッフやメンバー、自分に とって近い存在……それこそ、星野源さんとかに話していることをそのまま 歌詞にしているので、僕にとっては真新しい言葉ではないんですけど、 それが今の率直な気持ちを歌詞に出来たし、メロディーも、今自分が歌って いて最高に気持ちいいメロディーなんです。 それを作ることが出来た曲なので、これを、この「グッドバイ」を、たくさんの 人が聴いた時にどう思うのか、ちょっとチャレンジしたいと思っています。 サカナLOCKS!でかかったら、みんなどう思うだろうって、レコーディング中にも 何回シミュレーションしたか……。 今日は(レコード会社のサカナクション担当)ディレクターも来ていますけど、 サカナLOCKS!風に曲紹介して、曲を流したりしていましたからね(笑)。 だから、ここでみんながこの曲を聴いてどう思うのか、先生はすごく気になるし、 きっと……良いって言ってくれるんじゃないかって思っています。」 中略 「いやー……でもね、先生、この歌好きなんですよ。本当に。 33歳になって、自分で曲を書いて、初オンエアの日にラジオで泣くなんて(笑)。 どんだけ中二病なんだってところですけど(笑)。 でもね、本当に面白いんですよ。 人生、何があるか分かんない!紅白出ることになったり、先生的には、こんな風に 世に出て行くことに、急になったんですよ。 生徒諸君と全然変わらない普通の人間だから。 それが世に出て行くことで、たくさんの人に期待されるようになって、変な プレッシャーやいろんなものを抱えていたんですよ。 それから、この曲でグッドバイできた気がします。 不確かな未来に舵を切ることも恐れず、これからも感謝しながらね……いろんな 人に感謝しながら、頑張って行きたいと思います。 この曲の感想を、サカナ掲示板に書き込んでくれたらと思います。 あと、先生はTwitterをやっているので、エゴサーチもさせていただきますよ!(笑) [グッドバイ サカナクション] ってね(笑)。 だから、みなさん、良いことも悪いことも、いろいろ書き込んで下さい。 改めて、1月15日、サカナクションの両A面シングル「グッドバイ/ユリイカ」 リリースです。」 で、早速CDを買って聴いた感想ですが「ユリイカ」は最近のサカナ風の どちらかというとエレクトロな感じ、一方の「グッドバイ」は原点に回帰 したような、どこか懐かしい感じのするバンドサウンドです。 今回のユリイカもそうでしたが、サカナクションの新曲を初めて聴くと 曲の始まり部分は「あれ、今回のはイマイチかな?」と評価が非常に微妙 なのですが、曲を聴き進むにつれて、また何度も繰り返し繰り返し聴き さらに歌詞を読むと「ああ、やっぱりすごい!」となるわけです。 ちなみに、この「ユリイカ(Eureka)」という言葉ですが 古典ギリシア語で 「私は見つけた」「分かったぞ」「解けた」というような意味です。 ユリイカという言葉に関する逸話をひとつ。 古代ギリシャの哲学者アルキメデスが王様に 「この金の王冠を壊さずに、混ぜ物がしてあるかどうか調べるように。」 という難題を命じられた際、ある日、風呂に入ったところ水が湯船からあふれるのを 見た瞬間に、その方法(アルキメデスの原理)のヒントを発見し、浴場から飛び出た アルキメデスは「Eureka!」と叫びながら裸で走っていった。 という話があります。 山口君は、何を見つけたんでしょうね。 またこの「ユリイカ」のMVですが、これも賛否両論ありそうな内容です。 これに関しても、山口君はかなり確信犯的にこういった内容にしたようです。 このMVは昨年の12月28日に公開されていますが、山口君の話しによると 恐らく紅白歌合戦サカナクションを初めて見て、ネットで検索する人が沢山 いるだろうと、そこで最初に見たMVがこれなら、サカナクションを好きに なるか、そうではないかがはっきりするだろう・・・。 ある意味、ふるいにかけるような感じで、あえて過激なものにしたと言って いました。 では、最後にそのMVをどうぞ。 「ユリイカユリイカ」 作詞:山口一郎 作曲:山口一郎 いつも夕方の色 髪に馴染ませてた君を思い出した ここは東京 空を食うようにびっしりビルが湧く街 君が言うような 淋しさは感じないけど 思い出した ここは東京 それはそれで僕は生き急ぐな いつ終わるかな 風が吹く度 生き急ぐ 生き急ぐ いつ終わるかな 意味もないのに 生き急ぐ 生き急ぐ いつ終わるかな 壁が立つ度 生き急ぐ 生き急ぐ いつ終わるかな 意味もないのに 生き急ぐ 生き急ぐ なぜかドクダミと それを刈る母の背中を思い出した ここは東京 蔦が這うようにびっしり人が住む街 君が言うような 淋しさは感じないけど 思い出した ここは東京 それはそれで僕は生き急ぐな いつ終わるかな 風が吹く度 生き急ぐ 生き急ぐ いつ終わるかな 意味もないのに 生き急ぐ 生き急ぐ いつ終わるかな 壁が立つ度 生き急ぐ 生き急ぐ いつ終わるかな 意味もないのに 生き急ぐ 生き急ぐ 時が震える 月が消えてく 君が何か言おうとしても 「グッドバイ」 作詞:山口一郎 作曲:山口一郎 探してた答えはない 此処には多分ないな だけど僕は敢えて歌うんだ わかるだろう? グッドバイ 世界から知ることもできない 不確かな未来へ舵を切る グッドバイ 世界には見ることもできない 不確かな果実の皮を剥く 欲しいものはひとつもない 辿ってた ストイックな線を だけど僕は君を待ってしまうだろう ここに立って すぐに変わってしまうだろう グッドバイ 世界から知ることもできない 不確かな未来へ舵を切る グッドバイ 世界には見ることもできない 不確かな果実の皮を剥く どうだろう 僕には見ることができないありふれた幸せいくつあるだろう どうだろう 僕らが知ることのできないありふれた別れもいくつあるだろう グッドバイ 世界から何を歌うんだろう サカナクションには、これからも目が離せません。 1月16日追記 「グッドバイ」のMVも、ようやく公開されました。 「グッドバイ」                                白山オステオパシー院長