「謙虚さ。」

今年もMLBの日本人選手たちは、頑張ってますね。 特にダルビッシュマー君(私達は、いつまでこの大投手をマー君と呼ぶので しょう?)は、現在アメリカンリーグ防御率で1位と2位です。 ちなみに1位が田中投手(防御率2.06)、2位がダルビッシュ投手(防御率2.08)。 田中投手は順調過ぎるくらいに勝ち星を増やしていますが、今年のダルビッシュは 好投はするものの、味方の打線の援護に恵まれずに、なかなか勝利することが 出来ていません。 ダルビッシュが投げた、ある試合後に記者がした質問とその答え。 ――援護がなくてフラストレーションはたまらないか。 「僕が打てるわけではない。 僕がホームランを50本打てるのなら分かりませんけど、ヒットすら打てないので。 そこは打者をリスペクトしてますし、相手のピッチャーもすごくいいピッチングを していましたし、仕方がないことだと思います。」 次に、土砂降りの雨の中で投げて敗れ、連勝記録がストップした試合後の会見での、 田中投手の言葉。 「雨が降ってないときに比べれば違うところは出てきますが、そういったところで 思うような投球ができなかったのは自分の未熟なところだと思う。 今日はレベルが低すぎた。」 と口を突くのは反省の言葉ばかりでした。 またツイッターでのファンへのメッセージは。 「今まで連勝記録を楽しみにしてくださっていた皆さんには、ここで記録を途切れ させてしまったことを申し訳なく思います。 ここまでこれたのもチームの皆さん、ファンの皆さんのおかげです。 本当に感謝しています。 これが終わりではありません! またここからが新たなスタートです。」 ダルビッシュ投手や田中投手は、イチロー選手と同様に人間的にも本当に 素晴らしいと感じます。 しかも、二人ともまだ20代の半ばという若さ。 こういった謙虚な気持ちで物事に取り組むからこそ、普通の人が届かないような 域へと到達し、周囲の人間も彼のためならと奮起するのではないでしょうか。 次は、私の心の師である偉大なオステオパス、故ロバート・フルフォードDOに ついてです。 フルフォードDOは存命中から、その治療家としての類いまれな能力から、 世界中にその名を知られていましたが、91歳で亡くなる直前まで、簡素な 診療所で、ごく普通の金額で、治療を続けていました。 フルフォードDOの人柄を端的に表している記述が、アンドルー・ワイル博士の 著書「癒す心、治る力」に載っていますので、抜粋したいと思います。 ワイル博士がフルフォードDOの診療所へ、見学に行った際の様子です。 診療室は、いつも満員だった。 親子づれが多く、それも白人系、メキシコ人系、アジア人系、都会風、田舎風と、 南アリゾナの多様な人口構成の見本のような顔ぶれだった。 全員が治療結果に大きな期待をいだき、博士の顔を見るだけで満足している ようだった。 どう少なく見積もってもフルフォード博士が、その温かみのある存在に接した だけで人々を安心させ、つねに身をもって健康であることを示しつづける、 古風な家庭医の卓越した役割モデルであることは確かだった。 中略 患者の手放し方もみごとだった。 「今度はいつ来ればいいですか?」治療台から降りながら、そう尋ねる患者に 「もう来なくていい。きみは治った。」と博士はいう。 「でも、仕上げが必要なのでは?」と不安がる患者には、にこっと笑い、首を ふりながらこう答える「きみのからだのなかのショックは、私が取り除いた。 あとは、母なる自然の仕事にまかせようじゃないか。」 もしフルフォード博士の患者になにか不満があるとすれば、それはもう博士に 会えなくなるということかもしれない。 治療の経験はそれほどに、すばらしいものだったのである。 この文章を読むと、その愛にあふれた人間性が伝わってきます。 ただ単に治療技術が高いだけで、その言葉やふるまいに愛が感じられなければ、 このようには、ならないでしょう。 私の施術院には、フルフォードDOの著書「いのちの輝き」が4冊あり、今までに 多くの方に貸し出して、この本を読んでもらいました。 読んだ方は皆その内容に感銘を受け、自ら購入された方々もいます。 私も「オステオパシー」という、素晴らしい仕事に巡り合えたわけですから、 これからも謙虚に地道に、フルフォードDOのようなオステオパスになれるよう、 より高みを目指して行こうと思います。                                      白山オステオパシー院長