「ルーミー 愛の詩」
私のブログに時々登場するのが、13世紀ペルシャの神秘主義詩人であり、
偉大なスーフィズムの師でもある、ジェラルディン・ルミ(Celaleddin-i Rumi)。
以前はルミという表記が多かったような気がしますが、現在はペルシア語風に
ルーミーと、書かれていることが多いようです。
ちなみにウィキペディアでは、彼の名前をジャラール・ウッディーン・ルーミー
{ペルシア語: جلالالدین محمد رومی、Mawlānā Jalāl ad-Dīn Muḥammad
Balkhī-e-Rūmī ; トルコ語: Mevlânâ Celaleddin-i Rumi}、と書いています。
以前にブログで彼の詩を書いたときに、ルミの詩集は英語のものはたくさん
出版されているが、日本語の詩集はまだ1冊もないので、誰か日本語訳を
してくれないかな、と書いたことがあります。
その日本初のルミの詩集「ルーミー 愛の詩」が、昨年出版されました。
出版社はナチュラル・スピリットさん、さすがという感じでしょうか。
この本、ただの詩集ではなく大判サイズに神秘的なイメージを想起させる、
イラスト、写真、絵画、タイポグラフィなどを組み合わせて、見事にルミの詩
の世界を表現しています。
英文の翻訳者は、有名なルミの翻訳者コールマン・バークス、イラストは
禅アートやケルトアートなどを得意とするマイケル・グリーン、日本語訳は
あらかみ さんぞうと重城通子の共訳、この二人はエハン・デラヴィ著の
「ルーミー”その友”に出会う旅」の詩訳も、担当しています。
この詩集には、私が初めて知った詩がたくさん載っていますが、ルミの詩を
読むと、私たち誰もが心の奥深くでは分かっているが、上手く表現出来ずに
いることを、彼が詩を通して「それは、こういうことなんだよ。」と、伝えて
くれているような気がします。
では、「ルーミー 愛の詩」から一つだけ、彼の詩を紹介します。
私は、狂気にさいなまれて
生きてきた
理由を求め続けて
扉をたたいてきた
その時
扉は、ひらくものなのだ
私は、内側から扉をたたきつづけていたのだ!
I have lived on the lip of insanity,
wanting to know reasons,
knocking on a door.
It opens.
I’ve been knocking from the inside!