「本物の師。」

先日、「イニシエーション」というタイトルで記事を書いた時に、エリザベス・

ハイチのような本物の師に出会うことは、なかなか難しいということを

書きました。

この「イニシエーション」という本には、白魔術師と黒魔術師の話が出て

きますが、白魔術師は弟子がみずからの力で成長することをサポートし

黒魔術師は弟子の力を操り、奪いとってしまうと書かれています。

オステオパシー創始者A・T・スティルは、解剖学と生理学をきちんと

学べば治療方法は自ずとわかると、その治療テクニックをほとんど弟子に

教えなかったことは有名です。

では、以前にも書いたスティルの言葉です。


「骨を調整するには、多くの方法があることをはっきりさせておきたい。

 もしもある術者が他人と同じ方法を使っていない場合、それは

 けしからん無知を暴露しているのではなく、単に結果として異なる

 方法を採用しただけなのだ--方法の選択は各術者が決定すべき

 問題であり、その人自身の技量と判断によるのだ。--ある名だたる

 術者がするとおりの単なる真似ごとではなく、骨を異常から正常に

 戻すことが大事なのである。」


これも以前に書きましたが、パラマハンサ・ヨガナンダの師であるインドの

偉大なヨギ、スリ・ユクテスワも、エリザベス・ハイチと同じ内容のことを

言っています。


「何をするにも人真似ではなく、自分の独自の方法でやりなさい。」




もし誰かの師匠が弟子に対して、

「おまえに、私の力を授けてやろう。」

とか、

「おまえは、私の教えに背いた。よってその力を奪うこととする。」



などという言葉を口にするなら、その師匠は要注意かもしれません。