「北欧訪問記（１６）」
前回からのつづき。
ブラックサンドビーチのあとは、昼食のためにガソリンスタンドに併設されている
レストランに立ち寄ります。
私とモリ君は店内がかなり混んでいるため、食事はあとにして近くの海岸まで
歩いて行くことにします。
海には小川が流れ込んでおり、その上流は雪に覆われた山々、山の中腹には
教会が建っています。
天気も最高で、本当に清々しい場所です。
海岸から戻る際には、セントバーナードと散歩をする女性とすれ違い、後方の
雪山や教会と併せて、なんとなくアニメのアルプスの少女ハイジを思い出しました。
店内に戻ってみるとまだ混んでいるため、結局パンと飲み物を買って外で食べる
ことにします。
モリ君と、「まだ少し時間があるので、あの教会のところまで行ってみよう。」と
いうことになり、雪の斜面を登って教会まで行き、教会の前で昼食をとります。
虹のかかった「スコーガフォス」。
滝の上流、川岸に柵は無く足を滑らせたら・・・。
滝の上から下を見たところ。
昼食後に最初に行った場所は「スコーガフォス」という名の滝。
滝の前にはきれいな虹がかかっていました。
右側には滝の上まで登ることができる階段があり、私とモリ君は上まで行ってみる
ことにします。
しかし、予想以上に時間がかかってしまい滝の上に到着した時には、すでにバスの
出発時刻の５分前。
早々に写真を撮って慌てて階段を駆け降り、なんとかバスの出発時刻には間に合う
ことが出来ましたが、私もモリ君も膝がガクガクです。
開拓当時の家。
「センヤランズフォス」の滝。
滝の裏側へとつながる階段。彼らは無事に帰って来ることが出来たのだろうか？
次に向かったのは、地元のおじいさんが若い頃からコツコツと集めたという
個人収集の博物館。
開拓当時使っていた船、農機具、日用品、さらには動物の剥製、魚の骨格、
昆虫と、ほぼ何でもありです。
しかしまあ、よくこれだけの物を集めたものだという感じですが、このおじいさん
９０歳を過ぎて、現在も元気だそうです。
やはりいろいろな事に興味を持っていると、元気で長生きできるのでしょうか。
博物館の横には開拓当時の家もありましたが、家の中に入るとベッドが非常に
小さくて、当時のアイスランド人は背が低かったのかな？と思いました。
また人が住むスペースのすぐ横は家畜小屋になっていて、北海道の十勝開拓の
父と呼ばれる依田勉三の句「開拓のはじめは豚とひとつ鍋」（開拓当初は豚の
餌も人間の食事も全て一つの鍋で煮炊きした。）を思い出し、こういった寒い
地域の開拓者達は、世界中どこでも大変な苦労をしたのだろうなと感じました。
博物館のあとは、「センヤランズフォス」の滝へと向かいます。
この滝は水が落ちているすぐ裏側を歩くことが出来るということで、滝の裏側に
行ってみようかと思いましたが、そこへ向かうまでの階段が滝の水しぶきで
完全に凍りついていました。
頑張って上っている人たちもいましたが、根性無しの私たちは階段を１、２段
上ったところで、諦めて引き返します。
この階段を上っていった人たちは、無事に帰って来ることが出来たのでしょうか？
「センヤランズフォス」の滝をあとにして、レイキャビクに戻る途中には牧場が
広がっており、たくさんの馬が放牧されていました。
アイスランドの馬は、もともとはヨーロッパやモンゴルから連れてこられたそう
ですが、それらの品種が交配を続けながらアイスランドの厳しい自然の中で
独自の進化を遂げたということです。
体は小さく、脚も短く、ずんぐりとした体型で北海道馬のどさんこに近い体型を
していました。
やはり寒い地方で進化を遂げると、環境に適応するためにこのような体型になる
のでしょう。
その後、周囲は徐々に暗くなり海には雲間から綺麗な夕日が見えていました。
レイキャビクに到着し、この日はサオリさんのアパートで夕食ということで、
彼女のアパートへと向かいます。
サオリさん、アイスランドの名物を揃えてくれていました。
羊の頭部、アンコウのスモーク、子馬のステーキ、スモークサーモン、
温泉蒸しパン、Skyrなどなど。
羊の頭部は見た目はアレですが、頬の部分など普通に美味しかったです。
ちなみにSkyrとはアイスランドでよく食べられている、ヨーグルトとレアチーズ
ケーキの中間のような食感の食べ物です。
日本人が食べてもとても美味しく、プレーンの他にも果物が入ったものなど
いろいろな種類があります。
アイスランドに行くことがあったら、ぜひこれらの食べ物はチャレンジしてみて
ください。
つづく。
スモークアンコウ、スモークサーモン、温泉蒸しパン、サラダ。
子馬のステーキ。
Skyr
