「今日の映画『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』」(1/2)

今回はマイケル・ムーア監督の最新作「世界侵略のススメ」を御紹介。 他国に戦争を仕掛けても石油の利権も得られなければ、テロの撲滅も出来ない アメリカ政府。 悩んだ挙句にアメリカ国防総省は、なんとアメリカ政府の天敵マイケル・ムーア監督 に相談します(ホント!?)。 マイケル・ムーア監督と言えば、これまでに「ボウリング・フォー・コロンバイン」 「シッコ」、「華氏911」他でアメリカの現状を鋭い視点で撮り続けてきた映画監督 ですが、今回はマイケル・ムーアみずからが国防総省に代わって侵略者となり、 世界各国へと向かうことに。 彼の「侵略」の目的は各国のジョーシキを根こそぎ略奪し、アメリカへと持ち帰ること。 果たしてこのミッションは成功するのか? こちらがマイケル・ムーア監督↓

あっ、間違えた・・・ こちらでした↓
今回マイケル・ムーア監督が「侵略」に向かった国は、全部で9ヵ国。 1、イタリア 2、フランス 3、フィンランド 4、スロベニア 5、ドイツ 6、ポルトガル 7、ノルウェー 8、チュニジア 9、アイスランド マイケル・ムーア監督がアメリカへと持ち帰ろうとした各国の常識ですが、ぜひ 日本も採用すべきというものが多々ありましたので、映画のパンフレットから 書き出してみました。 この先は完全にネタバレの内容が含まれていますので、これから映画を見ようと 考えていて、内容を知りたくない方は読まないことをお勧めします。 1、イタリア共和国の労働環境 ・1年間の有給休暇は8週間、消化しなかった休暇は翌年に繰越が可能。  (映画に出てきた、奥様が自営をしているという警官の旦那様は、奥様の   仕事の都合でなかなか有給が取れず、80日間貯まっているそうです。) ・12ヶ月間の労働で13ヶ月目の給料がもらえる。(なんで・・・?) ・育児有給休暇は5ヶ月取得することが可能。 ・会社での昼休みが2時間。人によっては昼食時に必ず一時帰宅。 ・休暇はストレス解消になって労働効率があがると、会社も推奨。 ・最も生産性の高い国15ヵ国に入っている。(調べてみると2013年度の  統計はイタリアが8位、日本は22位。) イタリアでは会社は「社員の幸福のためにある」。 日本では? 2、フランス共和国の給食 ・デザート、チーズ付きのフレンチ・フルコースの給食が支給される。 ・給食室の冷蔵庫には何種類ものチーズが常備されている。 ・月に一度、シェフは役人と栄養士と会合を開き、メニューを見直す。 ・食器は全て陶器を使用。 ・食事も教育の一部と考えられている。 ・フレンチフライはあまり食べない。 給食に関しては、アメリカと比べると日本はかなり優秀でしょう。 以前にモーガン・スパーロック監督が撮った「スーパーサイズ・ミー」という 映画を見ると、アメリカの学校の悲惨さが良くわかります。 3、フィンランド共和国の教育 ・世界で学力No.1国家。 ・宿題という制度がない。 ・授業を減らしたら学力が伸びた。 ・授業は週20時間と、年間の授業時間はヨーロッパ最短。 ・マルチリンガルの生徒が多い。 ・統一テストは廃止され、選択式のテストはほとんどない。 ・テストで点を取る授業は教育ではないと考えられている。 ・所得に関係なく平等に教育が受けられるように、ほとんどが公立校。 フィンランドの教育を見た白山周辺のママさん達は、いったいどのような 反応を示すのでしょう? 日本では「ゆとり世代」などという言葉まで生まれ「ゆとり教育」は失敗 だったという評価になってしまっている感がありますが、本気で教育制度の 変革を考えるなら、もっと長期的なスパンで見なければ無理でしょう。 フィンランドの教育制度に関しては、後ほど詳しく書きます。 4、スロベニア共和国の大学 ・大学の学費は無料で、若者に借金を背負わせない。 ・高校の教育レベルは、アメリカの大学以上と言う者も。(アメリカからの  ある留学生の話。スロベニアでは海外からの留学生の学費も無料。) 「北欧訪問記」の記事でも書きましたが、ヨーロッパでは多くの国が大学まで 授業料無料で、一部の国は海外からの留学生も同様に無料です。 私がアイスランドでお世話になった日本からの留学生サオリさんも、授業料は 一切かかっていません。 留学生に対しても授業料無料の国は、最終的にはなんらかの形で自国に返って くると考えているようです。 5、ドイツ連邦共和国の労働者 ・1週間の労働時間は36時間。 ・労働者は14時には帰宅。 ・従業員の退社後に上司はメールを送ってはいけない。 ・従業員のプライベートな時間に上司が電話連絡してはいけない。もしすると  法律違反となる。 ・職場はストレスの温床と認識され、ストレス過多の者は処方箋をもらえて  無料のスパに3週間滞在できる。 ドイツに関してはベルリンの壁崩壊後、やはりなにかと大変なようですが、 私が印象的だったことは労働者の部分よりも、学校でのユダヤ人虐殺に 対する教育の部分でした。 一貫して事実をありのままに伝え、例えば子供たちに「自分がもし収容所へと 送られることになり、スーツケース一つ分の荷物しか持っていけないとしたら、 そこに何を入れるか考えてくるように。」という宿題が出されたりします。 歴史教育では相変わらず迷走中の日本と、どうしても比較してしまいます。 では、今回はここまでにして続きは次回に。 関連記事:    「今日の映画『木を植えた男』」    「今日の映画『おじいさんと草原の小学校』」    「今日の映画『沈黙の春を生きて』」    「今日の映画『鬼に訊け』」    「今日の映画『ボブ・マーリー ルーツ・オブ・レジェンド』」    「今日の映画『駄作の中にだけ俺がいる』」    「今日の映画『奇跡のリンゴ』」    「今日の映画『KANO』」                                  白山オステオパシー院長