「2月の歴にゃんこよみ。」
2月も中旬に入ってしまいましたが、今月の歴にゃんこよみです。
カレンダーの内容は小さくて若干読みにくいですが、拡大して
読んでみてください。
2月は、織田信長の
「うらみつる 風をしつめて はせを葉の 露よ心の 玉みかくらん」
という和歌が載っていますが、私にはこの意味が良く分からなかったため
調べてみました。
事代るかさんのブログにこの和歌についての解説と直訳、意訳が載って
いましたので、ここにまるごと転載させていただきます。
ちなみに事代るかさんのプロフィールですが、
「日本刀の研ぎの修行をしつつ、最近は鐔も作ってる、もののふ女子です
ヾ(@°▽°@)ノ」
だそうです。
□■信長の和歌 ~平和への願い編~■□
年代不明
今日、紹介する和歌は去年、本能寺の宝物館に行った時に発見した、信長が
詠んだとされる和歌である。
意味を調べる前までは、この和歌の意味がまったく分からなかったが、色々と
詳しく調べてみると、信長の平和への願いが込められた和歌だったことが分かり
驚き、感動した。
この歌は、恐らく信長が法華経の経典「勧持品(かんじほん)第十三」という一節の
講釈を聞いてから、詠んだものと思われる。
■本能寺所蔵 信長和歌詠草■
「うらみつる 風をしつめて
はせを葉の 露を心の 玉みかくらん」
聴講 法華経詠
勧持品 和歌案 信長
①直訳
世の中に吹く悪い風を静めて
芭蕉の葉に露が溜まるよう、我が心を磨こう
②意訳
誰に何と言われようとも、それに耐え忍び、今の世の中にはびこる悪い習慣、
嘘、戦争、暴利を貪る者たち、そのような乱世を静めて、平和な世が訪れるように、
自らの心を磨こう。
③解説
・「はせを葉」とは「芭蕉の葉(ばしょうのは)」のことである。
(「JA沖縄」様、HPより)
芭蕉とは、バショウ科の熱帯植物であり、その葉は風雨に晒されると簡単に
破れてしまう。
和歌の世界では、秋の季語として使われる。
その理由は、葉の弱さが秋風とも相まって、もののあわれを想起させるためである。
・『法華経 勧持品第十三』の内容を簡単に説明すると、菩薩たちが釈迦の前で
以下の様な誓いを立てる。
「仏が入滅した後の嘘や高慢、悪習がはびこる悪世で、例え我々が罵倒され、
危害を加えられようとも、我々はそれらに耐え忍び、この教えを人々に説きます。」
というような、誓いを立てるというものである。
詳しい解説は、サイト「旅の途中で」様に詳しい。
また、原文・書き下し・現代語訳は、ブログ「御書を繙く」様に分かりやすく載っている。
・「うらみつる風」とは、悪世がもたらす、恨みや辛みなどの負のものを指して
いると思われる。
「風」いう表現を敢えて使っているのは、芭蕉の葉が風雨で簡単に破れてしまうことに
掛けている。
芭蕉の葉が破れてしまっては、露も流れ落ちてしまう。
露(ここでは、平和の象徴か)が留まれるように、「乱世を平定して(うらみつる風を
しつめて)、平和な世の中が訪れるように(はせを葉の露を)、自らの心を磨こう
(心の玉みかくらん)」という意味なのではないかと、私は考えた。
これらすべてを踏まえて考えると、この和歌の意味は上記の意訳のようになるのでは
ないかと思う。
信長の平和な世を築く覚悟や意志が感じられる和歌である。
以上が事代るかさんのブログの内容です。
このブログには他にも織田信長に関する様々なエピソードが出てきますが、これらを
読むと、世間一般の人が抱いている織田信長のイメージとは違う信長像を知ることが
出来ると思いますので、御一読ください↓
「★織田信長の夢★ 鳴かぬなら 鳴ける世つくろう ほととぎす」
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