「千日回峰行」(2/2)(動画)
すっかりご無沙汰してしまいましたが、千日回峰行のつづきを書きたいと思います。
まずは千日回峰行山上山下のルートです。
千日回峰行山上山下には二種類のルートがあります。
一つは「無動寺回峰道」、もう一つは「飯室回峰道」で、現在一般的に使われているのは無動寺回峰道です。
飯室回峰道は千日回峰行を二度満行した酒井雄哉大阿闍梨が二度目の回峰行で回ったルートです。
飯室回峰道は飯室谷を開いた第三代天台座主慈覚大師円仁がおこなっていた叡山巡拝を基本とした行道ですが、天正18年(西暦1590年)以来、途絶えていました。
昭和18年、大切に保管されていた「手文」を頼りに、待望されていた飯室回峰道の百日回峰を箱崎大師が満行します。
そして「師資相承」にのっとって酒井雄哉大阿闍梨が飯室回峰道の千日満行を託され、昭和62年、二千日回峰を満行します。
前回の記事でも書きましたが、一般的な飯室回峰道でも「不慣れな人間が歩くと遭難する危険がある。」と山を良く知る地元の方に言われましたので、私が正式な回峰道を歩くのは当然無理。
そこで横川から坂本へと下る道は、最も安全と思われる大宮川沿いの大宮谷林道を通ることといたしました。
また飯室回峰道の場合、出発は無動寺谷明王堂となりますが、私は東塔地区にある延暦寺会館に宿泊しておりましたので、延暦寺会館からスタートし本坂(ほんざか)を上がって延暦寺会館へ戻るという、かなり変則的なものとなりました。
ルートをおおまかに書くと・・・
延暦寺会館 ー 東塔 ー 西塔 ー 峰道 ー 横川 ー 大宮谷林道 ー 坂本 ー 本坂 ー 延暦寺会館
となります。
途中、千日回峰行では参拝しない黒谷青龍寺なども参拝したため、結果的には無動寺回峰道とほぼ同じ距離の約28kmほどを1日で歩きました。(時間は行者の2倍ほどかかっていますが・・・。)
なお酒井雄哉大阿闍梨が満行した飯室回峰道は、無動寺回峰道よりもさらに10km程長い全長約40kmとなります。
次回は、私が参拝した堂塔などの写真を時系列で紹介いたします。