「アンチノミー」(動画)

amazarashiの新曲「アンチノミー」のMVが公開されました。

この楽曲は、2017年にスクウェア・エニックスよりPlayStation 4(PS4)用として発売されたアクションRPG『NieR:Automata』(ニーア オートマタ)をもとにして製作されたアニメ『NieR:Automata Ver1.1a』のエンディングテーマ曲となっています。

なお、オープニングテーマ曲は、Aimerの「escalate」です。

 

amazarashi「アンチノミー」特設サイト↓

www.amazarashi.com

 

『NieR:Automata』(ニーア オートマタ)TVアニメ公式サイト↓

nierautomata-anime.com

 

アニメ『NieR:Automata Ver1.1a』Promotion File 009

www.youtube.com

 

『NieR:Automata』  ニーア オートマタ - Wikipedia

 

<ストーリー>

西暦5012年。
突如地球へと飛来してきた<エイリアン>と、彼らが生み出した<機械生命体>により、人類は絶滅の危機に陥った。

月へと逃げのびた僅かな人類は、地球奪還のため、<アンドロイド>の兵士を用いた反攻作戦を開始。
しかし無限に増殖し続ける<機械生命体>を前に、戦いは膠着状態に陥る。

人類は最終兵器として、新型のアンドロイド<ヨルハ>部隊を地球へ派遣。
新たに地球へと派遣された<2B>は先行調査員の<9S>と合流し、任務にあたるが、その最中で、数々の不可解な現象に遭遇し……。

これは人類のために戦い続ける、命なき<アンドロイド>の物語――。

 

ちなみに『NieR:Automata Ver1.1a』はAmazon Prime Videoでも視聴可能です。

私はゲームをしないのでこのゲームのことを知りませんでしたが、Amazon Prime Videoで第三話までを観ただけでも凄い世界観です。

 

ところで「アンチノミー」の意味が分からなかったので調べてみました。とりあえず私が読んだ中で比較的分かりやすいと感じた説明を紹介いたします↓

naruhoudou.com

 

上記記事の抜粋↓

アンチノミー(Antinomie)は、カントが有名にした哲学的概念。

日本語に訳すと「二律背反」である。アンチノミーとは「矛盾した命題」のことだと勘違いしている人も多いが、実はまったく異なる。

アンチノミーには正しい命題が二つ必要で、この二つの正しい命題が互いに矛盾するという事態がアンチノミーである。

カントのアンチノミーとしては『純粋理性批判』における「四つのアンチノミー」が有名である。

 

次に上記の記事より、カントの「四つのアンチノミー」から第一アンチノミーを紹介します。

第一アンチノミー
テーゼ:世界は時間において始まりをもち、空間的にも限界に囲まれている。
アンチ・テーゼ:世界は始めをもたず、空間における限界をもたず、時間に関しても空間に関しても無限である。

 

ここから秋田ひろむさんが何故『NieR:Automata Ver1.1a』のテーマ曲として、この曲を書き下ろし、タイトルを「アンチノミー」としたのかを私なりに考えてみました。

簡潔に書くと「アンチノミー」という言葉で、本来感情を持たないはずの<アンドロイド>や<機械生命体>が人間と同じように感情を持ち、様々な葛藤を経験することを表現しているのではないでしょうか(あくまでも私の考えです)。

テーゼ:アンドロイドや機械生命体には感情が無い
アンチ・テーゼ:アンドロイドや機械生命体も感情を持つことができる

現在では「アンドロイドや機械生命体も感情を持つことができる」は、決して否定出来ないところまで技術が進んでいる可能性があります。

実際に2016年にはグーグルのエンジニアが、彼らが開発したAIが感情を持ち始めている可能性があると発言し話題になりました↓

www.bbc.com

 

アンチノミー」の歌詞を読むと、直接的にはアンドロイドや機械生命体の感情的な葛藤を歌っているように聞こえますが、逆説的には現在の地球において社会や為政者側からの様々な圧力によって、自由が奪われてしまった人類のことを歌っているように聞こえます。

例えば、

 

「自ら選択しないでください 革新によって安寧は揺らいでしまうので」

「知性は持たないでください それがあっては真実を知ってしまいます」

 

上記のような歌詞は、まさに現在の我々が直面していることではないでしょうか?

政府やメディアの言うとおりにしていれば、周囲との軋轢を生むこともなく、その時点においては安寧を得られる。

自らの頭で考え、調べ、真実を知ろうとする人間、そして自らが知った事実を発信する人間は攻撃の対象となってしまう。

秋田さんは、現在の地球の現状を本当に憂いているのだと思います。

それをアンドロイドや機械生命体の言葉を借りて、我々人類に訴えかけているのではないかと私は感じました。

 

MVはヨコオタロウ氏の製作による仮説人形劇。感じ方は人それぞれでしょうが、amazarashiのMVには、それを観る人間に強く訴えかけてくるものがあります↓

www.youtube.com

 

 

アンチノミー

作詞・作曲:秋田ひろむ

 

感情は持たないでください それがあってはこの先 きっと辛すぎる

人を愛さないでください 守るものが弱さになる きっと後悔するでしょう

 

嬉しくて笑い、悲しくて泣き 初めからそう設計されてんのかな

だけど痛いと泣く心を 僕は疑えやしないよ

 

意味を捨て意志をとれ 生き延びて 生き延びて 息をするんだ

「すぐ帰る」が遺言 アンチノミー アンチノミー 心のバグだ

人として憤れ 感情を踏みにじる全てへ

機械仕掛けの涙 それに震えるこの心は誰のもの

 

自ら選択しないでください 革新によって安寧は揺らいでしまうので

情けはかけないでください 白と黒の間の無限の色彩に惑うでしょう

 

世界は数多の問、繰り返す 返答だけならば機械にだってできる

僕だけの迷いこそが 人の証左となるなら

 

意味を捨て意志をとれ 生き延びて 生き延びて 息をするんだ

自分殺し生きている アンチノミー アンチノミー 心のバグだ

人として憤れ 感情を踏みにじる全てへ

機械仕掛けの涙 それに震えるこの心は誰のもの

 

知性は持たないでください それがあっては真実を知ってしまいます

君と僕の違いは何? 痛み喜びもこんなに似てる

似てるから求め合う? 憎しみ合う?

そういえば、この憎しみもよく似てる

 

涙声 離せない あなたの手 あなたの手 まだ温いんだ

屍として生まれ アンチノミー アンチノミー 世界のバグだ

人として憤れ 感情を踏みにじる全てへ

機械仕掛けの涙 それに震えるこの心は誰のもの

 

 

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