「弓削剽柑(ゆげひょうかん)」

農薬を使用していないため、見た目はきれいではありませんが、上から見ると一見普通のみかん。

ところが、横からみると。

切ってみると。

当院に来ている方から、「弓削剽柑(ゆげひょうかん)」という名の、珍しい 柑橘系の果物をいただきました。 袋の中には、その筋では有名な「無茶々園」のパンフレットも入っていました。 この「弓削剽柑(ゆげひょうかん)」、無茶々園で生産されたものでした。 自然食品店などで、産地に無茶々園と書かれたみかんを買ったことがある方も いるのではないでしょうか。 この無茶々園、1974年に愛媛県明浜のみかん農家の後継者3名が始めた 「農薬や化学肥料に頼らないみかん作り」の実験園が最初ですが、現在では 明浜の80軒以上の農家が、この方針のもとに柑橘栽培をおこなっている そうです。 有機農業者はなかなか理解されにくく、地域に広がっていくことが難しいのですが ここまでの拡がりを持たせたということは、本当に凄いことだと思います。 ではまず、弓削剽柑の写真です。

内皮が薄いため、このようにして食べるのがオススメだそうです。

では、パンフレットに書かれていた「弓削剽柑(ゆげひょうかん)」の説明です。 ・生い立ち 柑橘類の中でも文旦(ザボン)系の一種で、実はかなり昔から存在した品種です。 詳しい来歴はわからないのですが、台湾から九州へ渡ってきたと言われています。 明浜・田之浜地区の農家によると、かなり昔に似たような柑橘を作っていたことが あり、当時は「とうかん」と呼んでいたそうな。 ・特徴 まずは見た目が特徴的な弓削剽柑。 柑橘類では珍しく、縦に長いタマゴ形をしています。 黄色い外皮や甘く爽やかな香りは文旦系ならでは。 厚めの皮をむけば、ジューシーさもありながらも食べやすい程よく締まった果肉が 現れます。 ほろ苦く爽やかな風味ですが、見た目よりも糖度が乗ってしっかり甘さも感じます。 また、外皮にはペクチンも多く含まれ、マーマレードやピールへの加工をしても 美味しいです、 ・旬の食べ方 弓削剽柑は収穫時期の遅い品種です。 4月を過ぎて酸抜けが十分に進むともう食べごろと言えますが、6月頃まで成らせて おくこともできるようです。 ただ、春の雨に当たるとヘタの回りが弱くなってくるため、明浜では5月までが収穫時期 でしょうか。 食べ方は、外皮・内皮をむいて。 ただ、文旦系品種としては内皮が薄く、苦味のある白いワタの部分を除けるとそのまま でもいけます。 皮を剥きにくい場合には、輪切りでカットして食べるのもおススメです。 実際に食べてみるととても爽やかですが甘味もあり、内皮と一緒に食べると皮の 微かな苦味も加わるので、やはり輪切りにして内皮と一緒に食べるのがオススメ だと思います。 こちらは「無茶々園」のホームページです↓                        「無茶々園」
最後にもう一つ。 以前に震災関連の記事でも紹介したことがある、水俣・反農薬連のみかん生産者 故杉本栄子さんのメッセージをどうぞ。 生産者メッセージ(故杉本栄子) 生きんがためにも農薬は、絶対やめるべきじゃなかかな。 自身が水銀で犯されて・・・・・毒の恐ろしさ、薬の恐ろしさも身体が 知っているし、それが一番恐ろしかもんじゃけ、たんに売らんがための みかんじゃなしてですね、食べるみかんじゃち、どんなに冒された身体 ででも食べてくれる人達がいる限りは、ちゃんとつくっていこうと。 自身が水俣病で冒されていたからこそ、無農薬のみかんでないといかん のだと。 健康のままだとやっぱ農協のいいなりに農薬など使っただろうし、ただ 売るだけのみかん、心のこもっていないみかんになっていただろうと 思います。 このみかんを買って食べてくれる人達がいたということは、ほんなこつ 私達に生きがいをば教えてくれたなと。 このみかんを食ってくれる人がいるかぎりは、一生懸命作ろうと。 今は、生きる楽しみが出来た、いう感じです。 関連記事:    「遺伝子組み換え作物とは?」    「遺伝子組み換え大豆とアレルギー」    「遺伝子組み換え作物とスーパー雑草」    「日本政府による遺伝子組み換え作物栽培への環境づくり」    「「今日の映画」沈黙の春を生きて」    「りんごダイエット」    「りんごの有機栽培の難しさ」    「人は・・・」    「よく考えると・・・」    「「今日の映画」奇跡のリンゴ」                                   白山オステオパシー院長