「聖なる科学(3)」

今回は「聖なる科学」から、以下の3項目です。  ・消化管の観察  ・感覚器官の観察  ・乳児の食物の観察 「消化管の観察」 次に消化管を観察してみると、肉食動物の場合は、腸の長さが体長(口から肛門 まで)の3倍ないし5倍で、胃の形状はほぼ球形をしている。 草食動物の場合は、腸の長さが体長の20倍ないし28倍もあり、その胃は大きく 複雑な構造をしている。 これに対し、果食動物の場合は、腸の長さが体長の10倍ないし12倍で、その 胃は肉食動物の胃よりやや大きく、しかも腸との間に、第二の胃である十二指腸 をもっている。 これは、人間の消化管の構造と全く同じである。 解剖学では、人間の腸の長さは身長の3倍ないし5倍であるとされているが、 これは前述の口から肛門までの体長のかわりに、頭の先から足の裏までの身長を 基準にしているからである。 以上のことからもまた、人間のからだは果食動物であると推論することができる。 ここからは、真野解説。 肉食動物の腸の長さを調べてみると、トラやライオンは体長の約4倍、オオカミは 約4.5倍、それに対して犬は約5~7倍となっています。 私の推測では、犬は人間に飼われていた期間が長く、肉食というよりは雑食に近く なったために、腸の長さもそれに適応して長くなっていったと思われます。 では猫はどうかというと体調の約4倍と、トラやライオンとほぼ同じ長さです。 腸の長さから考えると犬より猫のほうが、より野生に近いと言えるかもしれません。 次に草食動物ですが、ウマが10倍、ウシが28倍、ヒツジが25倍となっていました。 ウシやヒツジは反芻動物で4つに分かれた大きな胃を持っていますので、食べた ものを反芻する動物は、特に長い腸を持っているようです。 実際に糞を見ても、胃が一つしかないウマの糞は繊維質がかなり残っていて、 コロコロした感じですが、ウシの糞は繊維質が少なく、べちゃっとした感じです。 最後に果食動物の腸の長さですが、前回書いた齧歯目や類人猿の腸の長さを 調べてみたのですが、いっこうに見つからない・・・。 聖なる科学では体長の10~12倍と書かれていますが、現状これが事実かどうかも 分からない状況です。 私が解剖学を習った元慈恵医科大の早川先生は、もともと獣医師で動物の解剖学 に関しては相当に詳しいので、そのうち聞きに行こうと思います。(早川先生は 私が在学中にも何度も、「インドネシアに象の解剖に行ってくる。」と言って、 授業が振替に、なっていました。) では、「聖なる科学」の内容に戻ります。 「感覚器官の観察」 次に、動物の感覚器官が食物に対して示す本能的な反応について観察してみよう。 つまり、あらゆる動物は、これによって自分の正しい食物を判別しているのである。 肉食動物は、自分の食物を見つけると、大きな喜びが湧いてきて、そのため目は らんらんと輝いてくる。 そして、猛然と襲いかかって獲物を捕らえると、流れ出る血を貪りなめる。 これに反して、草食動物は食物に血がかかっていると、それを避けて食べようと しない。 彼らの嗅覚と視覚は、彼らが喜びをもって食べられるような他の草を選ぶように 仕向けるのである。 同様に果食動物は、その本能的感覚の働きによって、食物を木の実や草の実に 求めようとする。 人間においては、どんな人種でも、その嗅覚や、聴覚や、視覚に刺激されて 他の動物を襲って殺したくなるような本能はない。 むしろ、他の動物が殺される場面を目撃するのは、耐えられないくらいである。 そのため、屠殺場は町から離れた人目に付かない場所に造られるし、また肉類を 覆いなしで輸送することを禁じた法令も多い。 このように、人間の目や鼻は、肉というものに対して、料理したり、調味料や 香辛料でごまかさないかぎり、これを避けようとする性質がある。 そのような肉が、人間の自然な食物であると考えることができるであろうか。 一方、われわれは果物の香りを嗅ぐと、自然に喜びが湧いてきて、口の中が 唾液で潤ってくる。 穀物や根菜のたぐいも、わずかではあるが、調理しないまでも好ましい味や 香りを感じさせる。 このことからもまた、人間のからだは果食動物としてつくられたと推論される のである。 真野解説。 上記の内容に関しては皆さん、これといった異存は無いのではないでしょうか? まあ、ごく稀にレクター博士のような人もいますが。 最後に、もう一項目。 「乳児の食物の観察」 もう一つ、母乳について観察してみよう。 母乳は明らかに、生まれたばかりの子供の食物であるが、人間の母親は、自然な 食物として、果物や、穀物や、野菜などを食べないと、充分な母乳が出ないので ある。 真野解説。 この内容に関しても、ネットで調べるといろいろと出てきますが、私が実際に 体験したわけではないので、ノーコメントで。 そのかわりに母乳の成分を調べましたので、載せておきます。 熱量(エネルギー)     66 (kcal/100ml)        たんぱく質        1.7 (g/100kcal)            脂質           5.4 (g/100kcal)           炭水化物        11.1 (g/100kcal)          ビタミンA         69 (µg/100kcal)         ビタミン D        0.5 (µg/100kcal)         ビタミン E        0.6 (mg/100kcal)      ビタミン K        1.5 (µg/100kcal)        ビタミン B1       0.02 (mg/100kcal)        ビタミン B2       0.05 (mg/100kcal)        ナイアシン       0.3 (mg/100kcal)        ビタミン B6         Tr (微量)   ビタミン B12        Tr (微量)   葉酸            Tr (微量)   パントテン酸      0.8 (mg/100kcal)       ビオチン        0.8 (µg/100kcal)        ビタミン C         8 (mg/100kcal)        ナトリウム        23 (mg/100kcal)        カリウム         74 (mg/100kcal)        カルシウム        42 (mg/100kcal)       マグネシウム        5 (mg/100kcal)        リン           22 (mg/100kcal)        鉄          0.06 (mg/100kcal)       亜鉛          0.5 (mg/100kcal)        銅            50 (µg/100kcal)        マンガン          Tr (微量)  セレン         3.1 (µg/100kcal)       この他、初乳には白血球やIgA抗体などの免疫物質も含まれています。 母乳って凄いね!                                    白山オステオパシー院長