「新型コロナウイルス感染症 治療法の進歩。」

新型コロナウイルスに関して、現場の医師達がどのように治療しているのかという情報が少ないので、記事を探してみました。

新型コロナウイルス感染症の治療法は、医師の治療経験が豊富になったこと、使用出来る治療薬の選択肢が増えたことなどで、かなり進歩してきているようです↓

 

www.dailyshincho.jp

 

 

この記事には、私がこれまでブログで書いてきたことに近いことが書かれています。

ページ数が多いので、今回も読みやすいように全てのページをまとめてみました↓

 

医師が明かす「コロナを恐れる必要がない理由」 死亡者は前年比減少、治療法も大きく進歩

国内 社会 週刊新潮 2020年11月19日号掲載

 

しばらく勢いが落ちていたが、気温が下がるにつれ息を吹き返している。ここ数日も「日本も徐々に新規感染者数が増加に転じており」「1日あたりの感染者が3日連続で千人を超え」といった文言が、耳にし、目にする人に恐怖感を抱かせている。

たしかに、数百人程度で落ち着いていた全国の新型コロナウイルスの新規感染者数が、11月7日には1323人を数えた。

また、北海道では9日、1日の感染者数が初めて200人を超えるなど、数字が膨らみつつあるのは間違いない。

また、一足先に寒くなった北海道で感染者が急増していると聞けば、気になるのは比較的緯度が高い欧米である。

アメリカは11月6日の新規感染者数が13万2797人を数え、日本の感染者数の累計、11万9555人(11月17日現在)を、わずか1日で大きく上回る勢いだ。

さらに深刻な様相なのがヨーロッパで、人口6706万人と日本の半分にすぎないフランスでは、11月7日に1日の感染者数が8万6852人に達し、周辺諸国でも、イタリアで7日に過去最多の感染者数3万9809人を記録したのをはじめ、多くの国で万単位の新規感染者が毎日発生している。

その結果、各国が外出制限などの厳しい措置を講じるにいたった。

その映像とともに、日本の何十倍にも相当するヨーロッパの感染者数が日々報じられれば、それを明日はわが身と思う人が増えるのも、不思議ではない。

しかし、そもそも「感染者数」にそれほど神経質になる必要があるのだろうか。

留意すべきは死者数のはずだが、11月になってからの死者数は、1日から9日まで1日平均7人である。

たとえば昨年1月、インフルエンザによる死者数は1日平均54人で、すでに罹患している慢性疾患がインフルエンザによって悪化しての死亡を含めれば、100人の大台を楽に超えた可能性が高い。

つまり新型コロナによる死者数がいまの10倍に増えたとしても、それはある意味、例年経験している事態なのだ。

そのことを念頭に置いたうえで、日々感染者の治療に当たっている臨床医の話に耳を傾けてほしい。

東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授は、

「いま増加傾向にある新型コロナウイルスの感染者数は、今後さらに増える可能性があるでしょう」

と言い、その要因を、

「低温になると新型コロナウイルスの生存期間が長くなります。

また、空気が乾燥すると水分が失われて飛沫が軽くなり、ウイルスが遠くまで届くようになります。

こうしてウイルスにとって好条件になるのに加え、寒い時期には人々は換気をしなくなりがちで、暖かい部屋やお店に集まる。

寒くなると、一般に人間の抵抗力が落ち、ウイルスを排除する能力が低下する、ということも指摘できます」

と説明する。では、ここしばらくの状況は、どう見ていたのだろうか。

 

 

 

治療薬を早めに使えるように

 

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「9月から10月は、1日の新規感染者数は全国で500~800人程度。

微増と微減を繰り返し、一定数を超えて増加することも、減ることもなかった」

増加要因と減少要因が拮抗していたわけだ。

「その時期、感染者が増える要因としては、大学が再開して部活動や寮でクラスターが発生したことのほか、Go Toトラベルの開始や、イベントへの参加人数の緩和があった。

人が移動したり集まったりする機会が増えたことは、増加要因になったと思います。

一方マスクや手洗いを徹底して、大人数で集まって大声で騒ぐことは避けるなど、一人ひとりが対策をしたことで、感染がそれ以上増えなかったのでしょう。

検査の拡充も挙げられます。

クラスターが発生しても、短期間に感染者の周囲を検査することが可能になった。

高齢者施設や医療機関でも、感染者が一人出たら、大勢に広がる前に検査をして対処できるようになりました」

こうして感染者の大幅な増加を免れることができていたわけだ。ただし、

「増加要因と減少要因のバランスは、個人個人の“そろそろ出かけたい”という気持ちと“感染に気をつけなければいけない”との意思という、自主性に依存しているだけに、崩れやすいと思います」

そうは言いながらも、

「感染者数の増加スピードも、感染者そのものの数も、ヨーロッパほどになる可能性は低いと思います」

というのが寺嶋教授の見解である。理由は、

「7~8月の第2波の分析で、感染者数が増加すると人々の外出回数が減るという傾向が判明しました。

こうした個人の自主的な行動変容の傾向が持続するなら、感染者数が増加傾向にあっても、ヨーロッパのようにはならないと思う」

しかし、日本の感染者数が欧米とはけた違いで少ない原因を、個人の行動だけで語れるのかどうか。

それについては追って考えることとし、医療現場の現況についての話を聞こう。

「欧米でも日本でも、第1波とくらべれば重症化率も死亡率も低下している。要因の一つは、検査体制が拡充されて早期発見、治療ができるようになったことです。

第1波では発熱しても4日間待つ必要がありました。

そのために診断や入院時にはすでに重症だったというケースもありましたが、最近はそういうことは少ない。

特に高齢者や重症化リスクが高い糖尿病患者は、早く入院させます」

要因の二つ目は、

「治療経験が豊富になり、治療薬も早めに使えるようになったことです。重症化リスクが高い症例には、抗ウイルス薬のアビガンを早めに投与します。

やはりこの薬は、体内でウイルスが増えるのを抑制し、症状を軽減して陰性になるまでの日数を短縮できている。

酸素吸入が必要な中等度になると、ステロイドホルモンのデキサメタゾンを早めに投与します。

新型コロナウイルスは、ウイルスの増殖を防ぐ働きをするサイトカインが正常な細胞も傷つけてしまうサイトカインストーム、つまり免疫暴走を起こす場合があります。

その結果、肺や腎臓に機能障害を来たすことがあり、デキサメタゾンはそれを抑える働きが期待されます。

英国で行われた臨床試験で、酸素吸入や人工呼吸が必要な患者は、デキサメタゾンを使って死亡率が低下したというデータが出ているのです。

さらに、人工呼吸器が必要となりそうな段階では、抗ウイルス薬のレムデシビルを投与します」

 

 

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人工呼吸器にまでいかない

ワクチンができるまでは、とよく言うが、寺嶋教授は、

「治療の手段、持ち駒が増えたし、推奨されている薬を迷わずに使えるようになった。だから重症化率が下がったのです」

と、臨床現場の現況について報告するのである。感染症に詳しい浜松医療センター院長補佐の矢野邦夫医師も補足して言う。

「感染者の8割以上を占める軽症者には、発熱したら熱さましという対症療法で、本格的な治療の対象は、CTで肺炎が確認されるような中等度以上の人や、心臓が悪いなど基礎疾患がある人、そして高齢者です」

こうした患者にアビガン、デキサメタゾン、レムデシビルを使うという話は、寺嶋教授と重なる。加えて、

「これまでは人工呼吸器を使ったような症例に、ネーザルハイフローという、鼻腔から大量の酸素を送る療法で対処できることがわかりました。

人工呼吸器は管を肺まで入れるので、二次感染を起こす危険性があるうえ、本人も意識がなくなって負担が大きい。

医療者にとっても、人工呼吸器の患者1人は、酸素療法の患者10人に匹敵するくらいの負担で、人工呼吸器をつける前に救えるということが、医療リソースを逼迫させないためのポイントです。

大量の酸素による療法なら、患者に意識があってご飯も食べられます」

血栓についての寺嶋教授の話も紹介しておきたい。

新型コロナウイルスの合併症として、血栓症が知られています。血栓が肺や脳の血管を詰まらせるのです。

しかし、血液検査で血栓の数値が上がっていたり、画像検査で血栓が疑われたりという症例では、血栓ができにくくする抗血栓薬を早めに投与するようになった。

このことも重症化率と死亡率の低下に寄与しています。

感染流行の初期には、血栓ができることも知られていなかったわけですから」

テレビ等の報道を真に受け、新型コロナには「治療薬がない」と思っている人が多いが、治療法は確立されつつあるのである。

さて、感染者数の話に戻るが、京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授は、寺嶋教授が述べたのと同じ理由で、

「冬に感染者が増加することは、当然予想できた」

と言いながらも、

「私の予想よりも増加速度はゆっくりで、いまのところコントロールされていると思います。1日あたりの新規感染者数が千人を超えましたが、それ以上増加すれば、みな慎重になる。

そうすれば、いずれ再び減少すると思います」

という見方を示し、マスクの効用を説く。

「マスクは電車内やコンサートホール、映画館などではしなくてよいと思いますが、大声で喋る場所では必要です。

マスクの目が5マイクロメートルなのに対し、ウイルスの大きさは0・1マイクロメートル。ウイルスが通ってしまうのでマスクは効果がない、と主張する人もいます。

でも、ウイルスは唾液中や飛沫のなかにいるので、マスクで大きな飛沫の粒子をブロックすれば、あとは小さいものが漏れだすだけ。

効果がないわけがありません」

電車のなかはもとより、人通りのない道路でもマスクを外さない日本人である。

たとえば、大統領選の最中の映像にマスクをしない人が目立ったアメリカにくらべれば、感染しにくいことは容易に想像できる。

 

ネアンデルタールの遺伝子

ただ、これほどの感染状況の差を、はたして日本人の習慣だけで語れるだろうか。感染症に詳しいナビタスクリニック川崎の内科医、谷本哲也氏は、

「日本を含む東アジア地域の死亡率が低いのは、複数の要因が複雑にからみ合った結果ですが」

と前置きしたうえで、次のように語る。

「重症化のリスクファクターが見えてきて、一つがヒトの遺伝子の違いです。第3染色体中の特定の遺伝子群が、新型コロナへの感染による重症化に関係するという研究結果が10月15日、米『ニューイングランド医学誌』で発表されました。

また、この遺伝子は一部の民族だけがネアンデルタール人から、数万年にわたり受け継いできたという研究結果も、9月30日に英誌『ネイチャー』に掲載されたのです。

その遺伝子は欧米や南アジアの住人には1~4割程度存在する一方、アフリカ系や日本を含む東アジアや東南アジアの人々には、ほとんど存在していません。

この分布の差が、世界の地域別の死亡率の差と大きく関連する、と考えられはじめています」

人の遺伝子以外にも、

「BCGワクチンなどの予防接種歴の有無も、重症化リスクとの関連が指摘されています。

弱毒化ポリオやインフルエンザ等の予防接種により、あらかじめ免疫システムが鍛えられて、別の病原菌に対する免疫力も上がる、訓練免疫が獲得されると考えられるのです」

一方、東京大学名誉教授で食の安心・安全財団理事長の唐木英明氏は、

「そうしたファクターXについてはいろんな説が出ていて、ネアンデルタール人の遺伝子説などはとてもおもしろいですが、100%は信じていません」

とのことだが、同時に、

「ただ“おもしろい”ですませてはいけません」

と忠告する。その心は、

「こうしたファクターXは、まさに“X”で真相はわかりません。

しかし、原因はわからないながらも、日本の死者数は欧米の100分の1だというラッキーな事実が大事です」

そして、「この状況」について、詳しくこう説く。

「再び感染者が増えている点は日本と欧米で共通でも、感染者数と死者数が決定的に違い、ともに日本は欧米の100分の1程度。

海外の専門家と話すと“欧米とくらべたらなんの問題もないじゃないか”と言われます。

そこで日本ではなにが問題なのかを考えると、医療関係者が訴える医療崩壊の恐れですが、欧米では日本の100倍の感染者を出しながら、医療崩壊を起こす手前で頑張っている。

では、日本の医療のキャパシティは欧米の100分の1しかないのでしょうか」

まさか、そんなことがあるはずもなかろう。

「日本は新型コロナウイルスを、指定感染症第2類以上に指定してしまったため、軽症者も無症状者も病院に入れなければならず、医療に余計な圧迫を与えている。

もう一つは、病院内で一人でも感染者が出たら世論に叩かれ、ひどい風評被害を受けるので、みな慎重になる。

こうした2重の足かせのせいで、“大変だ”と騒いでいるのです」

唐木氏は、いまの状況の根底にあるのは、感染初期に日本人に植えつけられた恐怖感だと訴える。

しかも現実に「第2類以上」だから、欧米にくらべればわずかな感染者の増加でも、医療はすぐに圧迫される。

「このままでは感染者数は欧米の100分の1のままでも、ロックダウンや外出自粛になりかねない。

感染者が増えている北海道でも欧米にくらべれば100分の1程度なのに、すでに営業時間短縮やGo Toトラベルの中止が検討されています。

原因は政治家のポピュリズムです。

感染者が増えると政治家は非難され、一方、厳しくするほど人気が上がるという妙なことになっていますから。

菅総理が“コロナ対策を第一に考える”と言うのも、まさにポピュリズムで、これ以上考えてどうするのか。

本当のことを繰り返し伝え、国民の恐怖感を取り除く対策なら歓迎ですが、感染者数が圧倒的に少ないのに、恐怖感を煽るようなことをしてはいけません」

 

なんの意味があるのか

医師で医療経済ジャーナリストの森田洋之氏は、

「感染者数にこだわると、今後の戦略を立てるうえで分が悪い」

と話すが、それはこういう意味である。

「公表されている感染者数はPCR検査の陽性者数で、PCR検査はインフルエンザに対して行われる抗原検査とは比較にならないほど、感度が高い。

このため新型コロナは、感染者数が過剰に計上されている可能性もあります。一方、重症者数や死亡者数であれば、過去に流行したインフルエンザとも、新型コロナの以前の波とも比較できる。

そこに焦点を当てれば、感染者数の伸びほど死者数は増加していない。

押さえるべきはそこで、感染者数に一喜一憂すべきではありません」

だが、現実には、報道にしても「一喜一憂」しているものが大半だ。結果、

「感染者がどんどん増えれば経済を止めると言い出しかねません。しかし、その判断をする際に重要なのも、感染者数ではなく死者数です。

感染者数が増加したら2週間後に死者数が増える、と言われてきましたが、そうならない事例も多い。

封鎖のような政策は本当に医療崩壊しそうなときや、死者が爆発的に増えそうなときに初めて行えばいい。

尋常ではない経済被害を伴い、経済的ダメージが原因の健康被害や自殺も起こりうる、というデメリットを考える必要があります」

再び唐木氏が言う。

「テレビに出演している医療関係者たちが“医療崩壊する”“みんなが外出するからだ”と言って、国民に恐怖心を植えつけています。

彼らは“冬はインフルとコロナのダブルでやられる”とも言っていますが、インフルの感染者数の劇的な減少を見るに、それは起こらないと思います」

それはグラフ1で明らかで、今年の感染者は昨年より2桁も少ない。

マスクや手洗いを欠かさない日本人の神経質なまでの対策が主因だろう。

おそらく同じ理由で、グラフ2でわかるように、去年にくらべて日本人全体の死者数も、増えて当然の高齢社会にもかかわらず、減っているのだ。

「大事なのは感染者数ではなく、高リスクの人を守り、重症化して亡くなる人を減らすこと。

見つかった感染者の10~100倍の無症状感染者が街を歩いていることを考えれば、見つかった人の数だけ毎日報道することに、なんの意味があるのでしょうか」(同)

日本の医療は毎年、1千万人ものインフルエンザ感染者に対処できてきた。ファクターXが働かず、新型コロナウイルスの感染者数がいまの10倍に拡大したとて、なんら問題はないはずなのだ。

しかも治療の手段も確実に増えている。

マスクや手洗い等で気を抜かなければ、感染者が多少増えようと、なにを気にする必要があろうか。

 

 

 

以上、週刊新潮の記事を転載いたしました。

食に関しては、私とは考え方に大きな隔たりがある東京大学名誉教授の唐木英明氏ですが、コロナに関しては私の考えに近いことを述べていました。

例えば、 

「 日本は新型コロナウイルスを、指定感染症第2類以上に指定してしまったため、軽症者も無症状者も病院に入れなければならず、医療に余計な圧迫を与えている。」

「本当のことを繰り返し伝え、国民の恐怖感を取り除く対策なら歓迎ですが、感染者数が圧倒的に少ないのに、恐怖感を煽るようなことをしてはいけません」

 

 

 

 

こちらは2020年12月4日発行の

新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き 第4版」

https://www.mhlw.go.jp/content/000702064.pdf

 

 

新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き 第4版」より、治療に関する部分を抜粋いたします。

 

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