「聖なる科学(4)」

今回は「聖なる科学」から、以下の2項目です。  ・病気の原因  ・子供の発育   ここまでを転載します。 「病気の原因」 以上に述べた観察から合理的に引き出される唯一の結論は、各種の穀物と、果物と、 根菜類と、さらに飲料としては、乳と、空気や日光にさらされた清水とが、間違い なく、人間にとって自然な最良の食物だということである。 これらの食物は、各人の消化機能に応じて摂取すれば、人体にとって最適であるため よく咀嚼され、唾液と混じり合って、正しく人体に同化されるのである。 他の食物は、人間の本来自然の食物ではないため、人体に適合しておらず、胃に 送られても、完全には人体に同化されない。 血液の中に混入したそれらの異物は、排泄器官に送られたり、または、体内の いろいろな器官の内部に蓄積される。 そして、それが排泄されないまま溜まってくると、引力の法則によって体内組織の 間隙に沈殿し、やがて発酵して、肉体的あるいは精神的病気を引き起こし、ついには 早死にを招くことにもなるのである。 真野解説。 いよいよ、本題の病気の原因についてです。 上記の内容を読むと、私がいつも書いている 「ほとんどの病気の原因は、結合組織の繊維の間に沈着した、  タンパク質を主体とした物質である。」 という説と非常に良く似ているということが、わかると思います。 似てはいますが、さらに細かい内容になると、私の考えとスリ・ユクテスワの説には 大きな違いがあるのも、事実です。 スリ・ユクテスワは体内に蓄積される物質は、食物に由来したものであると書いて います。 しかし私の考えでは、当然食物由来の物質もありますが、それよりも体内の代謝に よって生成されたタンパク質が、その多くを占めるのではないかと思っています。 ちなみに一般的な生理学書では、食事により体内に摂取されたタンパク質は、 アミノ酸レベルまで分解されないと、腸管内では吸収されないと書かれています。 しかし、実際にはかなりの量のタンパク質が、その立体構造と固有の特性を維持 したまま、直接吸収されると私は考えています。 それは、ある種のタンパク質には界面活性効果があり、その界面活性効果により 細胞膜を、直接通り抜けてしまうからです。 私の持論では、いわゆるアレルギー物質と呼ばれるものは、ほぼ全てこれらの 界面活性効果を持った物質と考えて、間違いないでしょう。 こんなことは、どんな医学書にも書いてありませんが、私はかなりの確信を持って います。 また脂質が細胞膜を通り抜ける際にも、タンパク質が脂質と一緒に細胞膜を 通り抜けることもあるだろうと、私は考えています。 ところで私が言う代謝で生成されるタンパク質が、どのように結合組織内に蓄積 されてしまうのかを、説明したいと思います。 人間の体の中には、約60兆個の細胞があると言われています。 また細胞以外にもコラーゲン線維などの、多くの組織が存在します。 そして、これらの細胞、組織は常に古いものが壊され、また新たに作られるという ことが、人が生まれてから死ぬまでのあいだ、延々と繰り返されています。 アメリカのテレビ番組に「数字で語る人体の神秘」というものがありますが、 その番組に出てくる数字から計算すると、体内では1秒間に1億個以上の細胞が 更新されていることになります。 細胞を構成する主要成分はタンパク質ですから、古くなった細胞が壊されると 当然、大量のタンパク質が間質に流れ出てくることになります。 そして、これらのタンパク質は静脈孔の大きさと比べると、大きすぎるために 細静脈には入らず、毛細リンパ管から吸収されて、肝臓などで分解されることに なります。 しかし、もし筋肉その他の筋骨格系の問題により、この毛細リンパ管が圧迫 されて潰れてしまい、これらの細胞のかけらを吸収出来ないとしたら・・・。 それらは、全て結合組織の繊維の中に蓄積されていくわけです。 そして時にはスリ・ユクテスワや、われらが老先生、A・T・スティルがその著書で 書いているように、それらの物質が発酵現象を起こして、分解熱を発生させます。 その要因としては、細菌やウイルスなどの生物学的なもの、あるいは精神的な ストレス、打撲などの物理的なものなど、さまざまな要因が考えられます。 そしてこれが、いわゆる「発熱する」あるいは「炎症」と呼ばれる現象です。 これも一般的な生理学書の説明とは、かけ離れていますが・・・。 まだまだ細かいことはたくさんありますが、読んでいる人達が疲れてきても 困るので、今回はこのくらいにしておこうと思います。 次の内容はこちらです。 「子供の発育」 また、子供に、刺激的な材料を用いない自然の菜食を与えて実験したところ、その発育 に及ぼす効果は、肉体的にも精神的にも、ほとんど例外なくすばらしいものであった。 子供たちは、また、注意力、理解力、主要な技能、落ち着き、相対的な性格、等に おいても、正しい発育を示したのである。 真野解説。 これがどのような実験だったのかはわかりませんが、内容的には間違いないでしょう。 日本では、かなり以前から子供たちの落ち着きのなさ、キレやすさ、などの事柄が 問題となっています。 私はその要因の最も大きなものは、小さな頃から肉をたくさん食べ過ぎていること だと思っています。 子供時代は成長期だからと言っても、小さな子供が大人と変わらないくらいの量の 肉を食べるというのは、明らかに食べ過ぎです。(ちなみに私は、現在言われて いる一日に必要な摂取カロリーは、体内で分解された細胞などから、リサイクル されるエネルギー量を考慮しておらず、かなり多すぎるのではないかと考えて います。) そしてこれらの食物由来の余分なタンパク質は、スリ・ユクテスワが書いている ように、確実に組織の中に溜まっていきます。 これらの異物が、体内の知覚神経を常に刺激し続けるために、落ち着きが無かったり キレやすくなったりするわけです。 あなただって、もし外で一日中、工事現場の騒音が鳴り続けていたら、イライラ しませんか? 要するに、これらの子供の場合には身体の内部で、この騒音と同じように体内に 溜まった異物が神経を刺激し続けている、ということなのです。 ですから、こういった子供たちの食事を見直すということは、かなり重要なこと だと私は考えています。 あるいは筋骨格系の問題があり、食事にはそれほど問題は無いのだけれど、 私が言うような、代謝で発生したタンパク質が蓄積していることが原因の子供 もいますので、そういった子供にはオステオパシーが、最も効果的だと思います。 今回はここまでで、続きは次回に。                                      白山オステオパシー院長