「より良く生きるには?」

当院に来られている方々に施術後によく聞かれることが、 「先生、普段の生活で、どんなことに気をつけたら良いですか?」 というものです。 これに対して、 「一般的に言われていることは、だいたい正しいですよ。  例えば   ・バランスの良い食事をとる   ・適度な運動をする   ・体を冷やさない   ・十分な睡眠と休息をとる   ・ストレスを抱え込まない とか。」 という話をするとほぼ100%の人が、「最後に言われたのがいちばん 難しいんですよね~。」となります。 そして私は、これらの中でもっとも重要なものも最後に言ったことだと、 思っています。 いくら有機野菜を食べて、ジムに通って、毎日8時間の睡眠をとっても、何か 重大な精神的ストレスを抱えていたら、全て台無しになってしまうでしょう。 「世の中に悩みの無い人はいない。」とは言いますが、本当にみなさん いろいろな悩みを抱えていらっしゃいます。 失業、離婚、家族との死別、病気、失恋。 あるいはもっと身近なところでは、職場に苦手な人がいる、友人とけんかした、 健康診断で再検査になった、子供が学校で問題を起こした、このあいだ言った 一言が相手を傷付けたのでは?、などなど数え上げたらきりがありません。 では、こういったことにどう対処したら良いのかというとこれまた難しい。 例えば家族の死などは、一番の薬は「時間」でしょうか。 時間というものにはかなりの癒しの効果があるので、一般的にはある出来事が 起きてから時間が経てば経つほど、傷は癒えていくものです。(ときには あとになってから、「あの時言われた一言に無性に腹が立ってきた!」という ケースもありますが・・・。) では現在進行形の悩み事は、どうしたら良いのでしょう? はっきり言って「正しい答えはない。」としか、言いようがない・・・。 「自分の受け止め方を変えれば良いのだ。」などと、もっともらしく言う人も いるでしょうが、心が傷つくときには傷つくのだからどうしようもありません。 イエス仏陀のような人間性を獲得出来れば、いつかは傷付かなくなる日が くるのかもしれませんが、私のような凡夫はあと何回生まれ変わったら、そう なることが出来るのか見当もつかないような状況ですので、この世界で生きる ことは本当に大変だな~、と思ってしまいます。 最初に「時間」の経過によって、ある程度の問題は解決すると書きましたが、 もう一つあげるとすると「目的」、あるいは「目標」でしょうか。 人間、何か「目的」や「目標」があるときは、かなりの辛い状況に置かれても、 なんとか耐えることが出来るものです。 「夜と霧」で有名なユダヤ人心理学者ヴィクトール・フランクル強制収容所に 送られた際に、自身が考え出したロゴセラピーの概念を世に送り出すまでは 死ねないと、そのことが収容所を生き延びる原動力になったと語っています。 しかし実際のところ、「自分は本当に何をしたいのか分からない。」という人が ほとんどなので、またまた振り出しに戻ってしまうわけですが・・・。 まるで、このあいだ紹介したバンド「ONE OK ROCK」の曲、 「アンサイズニア」の歌詞のようです。   僕の思う当たり前、君にとって当たり前かな?   君の思う当たり前、僕にとって当たり前かな?   どう思う?   さあどうだろう?     これ自体がもうナンセンスすぎるかな?      答えはない?   じゃあなんだろう?      また僕はふりだしに・・・  oh 結局、今回のお題の答えはなんだったんだろう・・・? oh 関連記事:    「生きる意味」    「やまあらしのジレンマ」      「天命」    「創造の病」    「問いの転換」    「アシュターヴァクラ・ギーター」    「変えられないものは。」    「ありのままに生きようとした蟻は・・・。」    「ONE OK ROCK(動画)」                                      白山オステオパシー院長