「ケイシーリーディング『てんかん』」

前回の記事の中で、 「アルツハイマー病に限らず一般的に脳の問題だと考えられている病気、例えば  統合失調症発達障害てんかんなどは全て身体全体の問題です。  またその原因に関してはタンパク質の体内への蓄積が脳脊髄神経系、自律神経系、  内分泌腺などと複雑に作用し合っており、このNewsweekの記事の内容ほど単純な  ものではありません。」 と書きましたが、今回はエドガー・ケイシーのリーディングから、「てんかん」に関連 したものを、日本エドガー・ケイシーセンターの翻訳データから2つほど紹介いた します。 これらのリーディングを読めば、その発症機序がいかに体内の多くの器官と関係し 合っているのかを分かっていただけると思います。 また今回紹介するケイシーリーディングでは2例ともに、食事療法などいくつかの 治療の一つにオステオパシーの施術を受けるよう指示しています。 現代のオステオパシーでは、オステオパシーは腰痛や肩こりを改善する程度のもの、 あるいは健康な人が病気にならないように病気の予防として受けるものだと勘違い している施術者もいるようですが、ケイシーがリーディングを取っていた時代には、 今回のリーディングに出てくるマーティン・L・リチャードソン博士やオベール医師 など、まだ全米各地に病気を治療できる本物のオステオパスがいたようです。 オステオパシー発祥の地と言われるアメリカのミズーリ州カークスビルは、オステ オパシーの創始者であるA・T・スティルの治療を受けるために、様々な病気を 抱えた人たちが全米各地から訪れ、その結果として片田舎の小さな町に鉄道の駅や ホテルまでもが出来たという歴史がありますが、病気で本当に苦しんでいる人たちが Dr.スティルのオステオパシー治療により治癒したからこそ、カークスビルはそれほど までに発展し、米国ではオステオパシーはMDと同様の医師の資格として認められるに 至ったのです。 オステオパシーには予防医学という側面もありますが、本来は病から健康へと 回復させる医学です。 1、NO,251-1 子供 (1933年1月27日) エドガー・ケイシー/よろしい。我々はその人の体〔251〕、またその体に肉体的 混乱をもたらす諸々のコンディションを捉えた。 混乱をもたらすコンディションは数多く存在する。 一方、現時点で、この体は諸々の反応として鎮静状態にある。 我々の見るところ、諸々の特殊なコンディションがこの人の体に混乱をもたらしている。 それらは目下、軽減されているが、(投与された鎮静剤の)影響である。 過去に遡り、14ヶ月前のことだが脊柱、そこに存在する諸々のセンターに損傷を 負った。 その結果、身体システムの排泄活動、特に盲腸、結腸エリアに関連するかたちで 悪影響が及んでいる。 そのエリアは、出産、つまり分娩時の胎位がもとで生じた腰部一帯の圧迫で、 すでに嵌頓(ヘルニアの)傾向にあり、ある種の癒着ができてしまっている。 そのため、盲腸、上行結腸が充満、あるいは膨張する際に冷えが生じ、脳脊髄 システムの下部で交感神経、脳脊髄神経のリアクションの協調が妨げられる のである。 そのため、けいれん性のコンディションが生じ、身体システム全体に不適切な反応、 現在まさに認められるこの障害が引き起こされるのである。 お解りだろうか? その活動、(つまり協調を欠いた状態に)関して解説する:特に第8、第9胸椎エリアに 圧迫が存在する。 それが空腸下部、ならびに結腸の最初の部位または盲腸エリアにおいて(蠕動 運動に求められる)プレッシャーを減じる、奪う方向で作用している。 そのことは盲腸エリアを手(もちろん温かい状態の手で)抑えれば解るはずだ。 その場所で、循環不良による体温の違いを確認できるだろう。 コンディションに関しては脳脊髄エリアの配列を試みる過程で、胸椎エリアに確認 できるはずだ。 またその影響が神経システムに見出せる。 諸々のコンディションを正常な状態に近づけ、このような発作の不安を取り除く。 諸臓器の分泌物の流れが妨げれているので、それらの活動を正常な状態に 近づける。 そのためには身体システムの排泄作用を高め、鎮静剤の使用で生じた鬱滞、 毒物を除去する必要がある。 そうすることで、われわれは脳脊髄(神経)システムの諸々の圧迫を取り除くことが できるだろう。 胸椎、腰椎エリアを頸椎、脳(の諸力)へ向かう活動(諸々のフィードバック)と 協調させるのである。 ビスマス、またはビスマスミルクを少量服用させることにする。 それによって身体システムが浄化され、神経諸力の活動が刺激を受け胸椎エリア から鬱帯エリアに拡散する。 そしてこの人の体に正常なコンディションをもたらすことができるはずだ。 消化管を通して十分すぎるほどの排泄が維持できなければ、初期の段階で再発性の コンディション、または発作が生じるだろう。 その一方、深刻さが軽減されていることも認められるだろう。 6〜10週間で、諸々の障害を引き起こすもの、原因を完全に体内から除去できる はずだ。 (問)矯正はどの方法で施すのがベストでしょうか?    それはオステオパシー的な方法でしょうか? (答)諸々の調整が必ず施されなければならない。    ただし、それらの調整は消化、排泄システムの粘膜に適切な働きを生じさせる    目的で体内に取り込まれた諸々の特性と協調させなければならない。    当然それはオステオパシー的なものであるべきだ。 (問)ビスマス、またはビスマスミルクの服用量を教えていただけますか? (答)今の状態から若干回復した後、初めて服用するべきである。    お解りだろうか?    服用量に関してはティースプーン1杯を1日3回でよいだろう。    必要に応じ、結腸の圧迫を除去するために浣腸を利用すること。    食餌は当然、楽に消化できるものでなければならない。    ただし十分バランスがとれたもの、つまり発達が正常となるよう、力、活力、    精力が維持できるものでなければならない。この体が諸々の発達段階に    あるのは明らかである。 (問)適切な食餌のアウトラインを述べていただけますか? (答)今の時点では、漉したオートミールビーフスープ、またはビーフジュースと    一緒に与えるべきである。    また、腎臓と協調して働き適切な排泄が期待できる諸々の食品。    つまり諸々の野菜のジュースを通して運ばれる諸々の特性。        最初から大きな固形物を与えすぎては良くない。 (問)オステオパシー治療はただちに行うべきでしょうか? (答) 鎮静剤(の副作用)で諸々の反応が現れ始めたらすぐ。     これから24時間後だ。 (問)現時点でどうすれば彼の苦しみを軽減できるでしょうか? (答)彼の苦しみは現在、軽減されている。    おそらく20〜24時間後、再び諸々の鬱滞が生じる。    再発性のコンディションである。そこで、われわれはすでに指摘した仙骨、胸椎、    特に腰椎エリアの圧迫を取り除く治療を開始できるだろう。    その前に諸々の鬱滞、または収縮が頸椎、盲腸、そして胸椎下部と腰椎エリアで    確認できるはずだ。 (問)医者たちによる治療はこの子に何か利益をもたらしていますか? (答)当面の利益をもたらしているが、苦しみを永遠に取り除くものではない。    助けというよりむしろそれを妨げている。 (問)言及された事故はどのような状況で起きたのでしょうか? (答)ある者がこの子を両腕に抱えたとき、ひどく後方に体が反れたのだ!    当時と同様の体勢で抱えれば問題が生じた部位を確認できるだろう。    それは第8、第9胸椎エリアだ! (問)両親に何か霊的助言はありますか? (答) 心構えは常にこうあるべきだ—この体のコンディションを最善のものとする    アウトラインが与えられており、それを実行することで肉体、精神体、霊体に    調和をもたらすものが生じる、癒しは実際に生じている、と。 (問)ノーフォークのオステオパスで誰がベストな治療を施すことができるで    しょうか? (答)リチャードソン! 〔オステオパス、マーティン・L・リチャードソン〕 (問)治療はどれくらい続けるべきでしょうか? その頻度は? (答)今後わかることだが、調整がどれほど円滑になされるか、またここまで    続く諸々の緊張を解くため、どれほど上手く身体システムの自浄作用が働く    のかによって変わってくる。    諸センターが鬱滞することで生じた諸々の嵌頓が除去されるまで、もうしばらく    耐える必要がある。    両サイドが引っぱり寄せられた状態、それが嵌頓である。お解りだろうか?    治療回数に関しては、どれだけ上手く身体が反応を示すか、そしてどのように   (組織)構築が求められるのかで変わるだろう。   それに関しては、実際治療を担当する者が判断するのがベストだろう。   必要なら、苦痛が除去されるまで毎日施されるべきだ。   全体でおよそ30〜60日間、苦痛除去に要する日数は徐々に少なく、また間隔も   広くなっていくだろう。 (問)この人に関して、または両親に他に助言はありますか? (答)アウトラインとして与えた治療法に心して従うこと。この体、〔251〕の      コンディションを改善するためである。    今回はこれで終わる。 本人へ複写2部(1部はBankers Trustビルのリチャードソン博士用) 協会ファイル用に複写1部 (ビーフジュースがリーディングで言及されましたが、作り方のコピーを同封しています) 2、NO,561-1    16歳 男性  (1934年5月28日) ケイシー:よろしい、われわれはここに[561]を捉えた。 さて、われわれの見るところ、ほとんど完全に正常であると言えるような状態が 現時点において多く存在する。 しかし、治療を施さない限り、将来的に何らかの合併症を引き起こすような、 体質的な障害となるような状態が存在する。 助けになるであろうものを与えるにあたり――また、この体に治療を施すにあたり、 この状態を引き起こした根本原因を述べておくことが必要だろう。 われわれの見るところ、以前、この人に――いわば――最初の固形食、あるいは、 より渋みのある食べ物が与えられた時点、あるいは年齢の時である。 その時期に、熱によって体に影響し、また、与えられた成分によって乳び管に 影響するような病気をしたことがある。 これが、主として盲腸および上行結腸の部位に影響する狭窄を引き起こしたのである。 そして、頭部に対して発作がある時に、あるいは、肝臓と心臓の間の循環が影響 される時に、手を盲腸と乳び管周辺の部位に当てると――本人はそれに気づかない かも知れないが――そこに低温部があることが見出されるだろう。 [561-1のレポートR5に、ニューヨークタイムスに掲載された、腹部のてんかんに 関する記事があるので参照されたし。] リンパの流れと粘膜循環が増大させてこの活動を再び活気づかせない限り、 引きつけの状態は徐々に確実に大きくなる――そして、発作の持続時間も短いもの よりも、必然的に長いものになって行く。 というのも、この状態の傾向がますます大きくなるからだ。 これは、この部分における癒着と呼びうるもの、あるいは狭窄のようなものである。 発作の直後あるいは直前をのぞけば、全体的な循環は非常に良好である。 また、発作は周期的に来ているわけではなく、そこに形成される圧迫から来る。 われわれの見るところ、発作的な状態に害されている消化管と肝臓と腎臓からの 排泄をのぞけば、臓器の全体的な活動と、体の他の部分はほぼ正常である。 そこで、これらの状態を適切に治すには、この人自身が、この状態が壊されたと 感じられるようになるまでは――このような期間は整体(マニピュレーション)を 受けることだが――肉体にあまり過剰な負担を与えてはならない。 なぜなら、この人は右側にときどき緊張を感じているが、それをのぞけば、この人 自身がほとんど自覚していない緊張があるからである――肋骨のすぐ下から足の骨の 頭部のすぐ上、つまり寛骨のすぐ上までの位置に、ストレッチしなければならないと 感じるような場所がある。 痛みがあるわけではなく、緊張があるだけだ。 われわれはまず、たっぷりのヒマシ油パックを施すことから始める。 3重あるいは4重にしたフランネルをヒマシ油に浸け、それを体が耐えられる限り 熱くして、肝臓の上部から盲腸および上行結腸の部位を覆うように当てるのである。 これを毎日少なくとも3時間から4時間、次から次に、施術回数がトータルで少なくとも 6回から8回になるまで行う。 少量のオリーブオイルを内服することも始める。 2時間毎に、小さじに4分の1から半分の量を服用する。 れを同じく、6日から8日間継続する。 毎晩、ヒマシ油パックを施したなら、その後で、電動バイブレータを使って入念な マッサージを行うこと――スポンジのアプリケータを付けて、腹部あるいは胃に対して 行うのである。 この治療によって胃をすっかり空にすること。 つまり、胸骨のすぐ下の胃の上から円を描くような動きで始め、肝臓の上、そして 全体を何度も縦横に横切るように続ける。 あまり強すぎてはいけないが、そこの緊張を壊すのを促すのに充分な強さで行う。 これを5分から15分当てる。 6日から8日の期間が終わったなら、2日か3日ほど休止する。 つまり、ヒマシ油パックとバイブレータを休むのである。 そして、この休止期間に、徹底したオステオパシーの調整(アジャストメント)と マッサージを――1回だけ――受けること。 これでひとまとまりの一連の治療になる。 そして、指示した一連のすべての治療を再び行う。 これらの一連の治療を全部で3回行う。 これらを実行せよ。 そうすれば、[561]のこれらのトラブルを取り除くことができるだろう。 なぜなら、これらのトラブルは説明した状態によって引き起こされてきたからである。 質問を受け付ける。 (問)ヒマシ油パックとバイブレータの治療は母親でも出来ますか? (答)母親が指示したことに従うならば、母親にしてもらう方が良いだろう。    ヒマシ油パックは、手に当てて耐えられる限り熱い状態で、肋骨の端から    腰骨のところまで、右脇腹全体を覆うように当てる。    そして、毎日パックを行った後で、電動バイブレータを使って全体的な    マッサージを行う。       よろしいかな。 このような治療を6日から8日ほど継続する。    そうしたなら、休止し、その休止期間に、整体(マニピュレーション)    あるいは背骨に沿った矯正を受ける。 (問)この場合の矯正は、オステオパスに施してもらうのが良いのでしょうか? (答)オステオパスとしての自分の仕事を理解している者であれば誰でも良い。    あなたがやっているようなマッサージではなく、良質の全般的な治療を行える    者であれば誰でも良い!    そのような調整(アジャストメント)を最初にやってもらう必要はない。    よろしいかな。 実のところ、ヒマシ油パックを行っている期間は、この人に    とってむしろ害があることがある――というのも、ヒマシ油パックは、それらの    部位の内部において、トラブルを起こしている状態を取り除くように粘膜と      リンパの循環を増大させる作用を作り出すからである。 (問)家で行われている治療について、オステオパスが知っている必要がありますか? (答)あなたが彼に伝えたければ! (問)オベール医師で大丈夫ですか? (答)彼はとても良い医者だ! (問)食事に関して何かアドバイスがありますか? (答)もちろん、食事はヘビーなものはだめだ。   詰まらせたり、便秘を起こさせるような性質のもののことだ。   むしろ、これらの治療を行っている全期間にわたって、柑橘系の果物と野菜の   ジュースが良い。   固い食べ物をほどほどでも食べてはいけないというわけではない。   食べ過ぎてはいけないということだ――よろしいかな。   食事は大半が柑橘系の果物と野菜のジュースになるようにする。 (問)この夏、数週間のキャンプ生活を送るのは彼には大変ですか? (答)それは、まず、この人がそれらの状態をすっかり取り除いたかどうかで    判断するのが最善だろう!    いまのままの状態では、望ましくないだろう。 また、万一、何らかの刺激が    生じたときに、これがあるのは望ましくないだろう。    しかしながら、悪いところが治され、その状態に体を再調することが    できたなら、つまり、感覚系への発作的な反応が治ったならば、この人に    とってキャンプ生活は良いだろう。 (問)いくつかの彼の肉体活動は制限する必要がありますか? (答)述べたように、治療の最初の部分が行われている間は、あまり激しい    肉体活動をしてはならない。    さもなければ、われわれが壊そうとしている病変そのものを緊張させたり、    炎症を起こさせることになる!    なぜなら、癒着している内臓に狭窄があり、それが正常な働きを妨げている    からだ。    そのような方向に過剰の刺激を加えるような活動は制限すること。    よろしいかな? 少なくとも一連の治療を2回から3回ほど行うまでは、あまり    活動しすぎてはならない。    これを実行せよ。そうすれば、[561]のこれらの状態を治すことができるだろう。    今回はこれで終わる。 [561-1のレポートR1にある、グラディスからオベール医師に宛てた手紙を参照のこと。] コピーを1部本人に。 コピーを1部協会のファイルに保管。 では最後にA・T・スティルの言葉です。     「医師の目的は健康を見つけることである。      病気を見つけることは誰にでもできる。」
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