「もし体の中で1箇所だけを治すなら。」

以前に、「もし体の中で1箇所だけを治すなら。」というタイトルで

 

記事を書いたことがあります。

 

その時には、もし体の中で1箇所だけを治すなら「左膝」です。

 

この左膝の問題には、フルフォード先生も言及しています、と

 

書きました。

 

過去記事です↓

 

 

   「もし体の中で1箇所だけを治すなら。」

 

 

しかし数ヶ月前に、「左膝」よりもさらに効率良く身体全体を変化させる

 

ことが出来る箇所を見つけました。

 

それは「右足底」です。

 

これは右足の裏を治療するというよりは、右足の裏からアプローチして

 

膝、股関節、骨盤、脊柱を同時に治療するというものです。

 

考え方としては、日本オステオパシー連合が出版した「靭帯性関節

 

ストレイン(LAS)」という本に出てくる、「受傷ベクトル」の考え方に

 

近いです。

 

ただ、この「右足底」という部位に関してはここから受傷したのではなく、

 

人間の身体の構造的な理由によるものです。

 

なぜ左足ではなく右足なのかについては、後日詳しく説明したいと

 

思います。

 

なおこれは手でもできますが、やはり器械を使った方が圧倒的に早く

 

治せます。

 

私の目的は、ただ単に症状を取り除くだけではなく、身体全体の状態を

 

あるべき形に戻し、当院に来た方々が早くからだ本来の機能を発揮させる

 

ことが出来るようにすることです。

 

その目的達成のために、どのような方法で治療するかということに関しては

 

今現在、一般的に使われているオステオパシーのテクニックだけを使って、

 

治療しなければいけないとは、全く思っていません。

 

ですから手技だけではなく器械も使うわけですが、その器械もフルフォード

 

先生が使用していたオステオパシー業界公認のパーカッションハンマーでは

 

なく、市販のマッサージ器を使用しております。

 

それは、第二次大戦中に開発された器械よりも、現在の日本で開発された

 

器械の方が安価、小型、軽量で性能が良いという極めて合理的な理由で、

 

その効果に関しては何の問題もありません。

 

世のオステオパス達がパーカッションハンマーという器械に対して、どんな

 

幻想を抱いているのかは知りませんが、この器械も当時のアメリカで一般に

 

市販されていたマッサージ器の一つで、それを見たフルフォード先生が

 

「これはいい。」と治療の際に、使い始めただけの話です。

 

特殊な作用をさせるために、フルフォード先生が独自に開発したものでは

 

ありません。

 

では、その部分を彼の著書から。

 

 

 

パーカッション・バイブレーターはもともとマッサージ用に開発されたもので

 

わたしは第二次世界大戦のさなか、8人の西洋医学の医師と一緒に開業して

 

まもなくから、それを使い始めた。

 

開業1年後、6人が辞めていき、わたしを含めて残った3人は昼夜を問わずに

 

働いた。

 

当時、わたしは背骨の両脇の筋肉をマッサージするのに手を使っていたが、

 

時間がかかりすぎることに悩んでいた。

 

ある日、そのバイブレーターのダイレクトメールが届いた。

 

「これなら時間も節約でき、こちらも疲れずに筋肉を緩められる。」

 

と考えて、すぐに注文した。

 

メーカーは自社の製品をオステオパシー医が医療用に使うと知って驚いて

 

いたが、やがてわれわれのために、小型で使い勝手がいい、あつらえむきの

 

製品をつくってくれるようになった。

 

 

以上 ロバート・フルフォード著「いのちの輝き」より抜粋   

 

 

 

手技、あるいは体液の流れを使って治療するよりも、1分間に数千回

 

の速度で振動している器械の方が効率が良いのは当然なのですが、

 

これをわかってくれるオステオパスは、なかなかいないのが現状です・・・。

 

確かに現在のオステオパシー理論の主流である、「体性機能障害の原因は

 

原因不明の神経系の誤作動である」という考え方をすると、器械のスピードは

 

関係なくなってしまいますが、スティルは障害の原因が神経系の誤作動などとは

 

一言も書いていませんし、私に言わせれば神経系はその時の身体の状態に

 

合わせて、全く正常に機能しているのです。

 

これを話すと長くなるので、今回は省略しておきますが・・・。

 

ところで、今まではもしかしたら私が新発見したかも?と思うものでも、

 

探してみると結局、スティルやフルフォードの本に似たような記述が

 

ありましたが、今回こそはもしかすると二人が書いていないことを新たに

 

発見したのでは?と密かに思っています。

 

 

 

 

 

最後に、

 

現代のオステオパスは、自らの技術をなにか神業的なものに見せようと

 

する人たちが多い印象を受けますが、今回抜粋した「いのちの輝き」の

 

内容を読めば、フルフォード先生がパーカッションハンマーを使用して、

 

おこなっていたことは、結局は手で筋肉を緩めるという基本的なことの

 

延長である、ということを理解していただけると思います。