「石坂流針術(2)」

では今回は自律神経雑誌Vol. 13 (1966) No. 12 P 13-14に掲載された 石坂流針術に関する内容と、私がこれまでに書いたブログや白山オステオパシーの ホームページの内容を比較してみたいと思います。 まずは自律神経雑誌に掲載された石坂流針術の概要、そのあとに各項目毎に 同じような内容が書かれている白山オステオパシーのブログ、あるいは ホームページからの抜粋を紹介します。 なお項目一の由来に関しては、自律神経雑誌に掲載された石坂流針術の概要 のみ紹介しておきます。 自律神経雑誌  Vol. 13 (1966) No. 12 P 13-14 「石坂流針術」 一、 由来- 石坂流針術は江戸末期、一九世紀初頭、将軍の針医であった石坂宗哲先生に 源を発する。 先生は非常な勉強家で、オランダの医官シーボルトと学術上の深い交渉をもち、 伝統的針術の枠をのりこえて、時代の変遷に応じた現実的な新しい針術を 創り上げた。 町田栄治先生は、その五代目の継承者である。 白米食のようやく普及した当時の江戸には、従来の手技では歯が立たないような 慢性病が増え、このような一段と強力で周到な新しい手技の出現が要求された ためと思われる。 まして、現代の不良食品や薬剤でいためつけられて麻痺し切った身体は、尋常な 方法では、びくともしないのは当然である。 今日、我々が益々石坂流の必要性を痛感するのは、このためである。 二、 硬結即疾病- 病気は経絡の流通不全による不均衡として現われる。 経絡の流通不全の箇所には硬結が生じており、それは必ず皮胱面からその一端を 何らかの形で触知出来る。 上記二に近い内容の、白山オステオパシーのブログ、ホームページ記事。 ・2011年7月6日のブログ記事「きっかけ」からの抜粋 前部省略 その後、学校で繰り返し触診の練習をしているうちに、私は異常な緊張を 起こしている筋肉が骨に付着する部分には、なにか普通とは違う感触がある ことに気が付きました。 それはゼリーのような感触だったり、グミのような感触だったり、あるいは もっと硬い感触だったりと様々ですが、正常な筋肉にはない何かが、その部 分にくっついている感じでした。 さらに、その部分を押すと誰もが強い痛みを訴えました。 以下省略 元記事→ 「きっかけ」 ・白山オステオパシーホームページの「体の不調の原因とは?」からの抜粋。 前部省略 つまり循環系になんらかの問題が生じ、細胞更新等の代謝活動で発生した タンパク質など静脈孔の径では、分子のサイズが大きすぎて吸収すること ができない、ある程度大きな分子量を持った物質を、毛細リンパ管が吸収 できなくなった場合に、それらの物質が結合組織の繊維の中に入り込み、 蓄積していく。 そしてこの沈着物質(おもにタンパク質)が原因で循環系(血流、リンパ 流)がブロックされる、あるいは神経系をブロックor不要な信号を中枢 神経系や自律神経系に送る、などして各器官、臓器、筋等の恒常性を乱し 身体に更なる問題を引き起こしていく、という悪循環に陥ります。 中略 またここで述べている結合組織内の沈着物は、ある程度の触診の訓練を すると手で触ってその沈着部位を特定できるようになり、手技によりそれ を結合組織内から遊離させて、リンパ系へと吸収させることができます。 以下省略 元記事→  「体の不調の原因とは?」
三、 触診によりじかに確かめられたこの硬結が、針を刺す対象なのである。 脈診も病名も症状も硬結を見つけ出す手がかりにはなるが、これらだけでは刺針点は 決められない。 刺針点の決め手は、あく迄硬結の位置である。 硬結の位置が移動すれば刺針点も変る。 上記三に近い内容の、白山オステオパシーのホームページ記事。 ・白山オステオパシーホームページの「どのような症状に効果があるの?」 からの抜粋。 前部省略 私は病院でつけられた病名には、あまりこだわっていません。 お医者さんは、必ずなんらかの病名をつけなければいけないので、過去の お医者さん達がつけた膨大な数の病名の中から、出ている症状に一番近い 病名を付けますが、大切なのは身体のどの部分がどのように正常な状態か ら、逸脱してしまっているかです。 ですから、問題のある部分を正常な状態に戻してあげれば症状も自然と 消えてしまうということになります。 二人のひとの体に、同じような症状が現れていて同じ病名をつけられて いても、原因は全く別の所にある場合が実際にあるのです。 以下省略 元記事→  「どのような症状に効果があるの?」
四、 治療が進行して最後に残った腎命の硬結迄消失させれば治癒であり、経絡の真の 均衡が達成される。 硬結の残っている限り、経絡の真の安定はありえない。 治療直後には一時安定するように見えることがあっても、それは見かけの上の 安定で、やがては必ずくずれる。 脈診判定では、必ず硬結による判定の裏付けを伴わなければならない。 上記四に近い内容の、白山オステオパシーのブログ記事。 ・2011年7月5日のブログ記事「病気の原因とは」からの抜粋 私が考えている病気の原因を説明すると、次のような文章になりました。   「多くの病気の原因は、体に対する物理的、化学的、精神的、    生物学的な衝撃、あるいは個人の遺伝的な器質により、体の   結合組織内に沈着したタンパク質その他の物質が循環系、    神経系に機能障害を生じさせた状態。」 わかったような、わからないような文章ですが、私の施術の基本的な考え方 はこの沈着物を手で感じ取り、それをオステオパシーの手技で取り除いてい くというものです。 これにより、動脈、静脈、間質液、リンパ液の流れ、神経伝達を正常化して 体を健康な状態に戻していきます。 元記事→ 「病気の原因とは」 五、 硬結は経絡の流通を阻害しているだけでなく、骨の配列まで乱し体形を歪める。 硬結を一つ一つ除去し体形を正常に復させる石坂流は、さながら生体を対象と する彫刻術の観がある。 上記五に近い内容の、白山オステオパシーのブログ記事。 ・2011年7月11日のブログ記事「腱の沈着物」からの抜粋 前部省略 腱の部分の沈着物は、腱の表面だけでなく、線維のあいだ、さらにその奥まで 蓄積していきますから、その結果筋紡錘の張力が増加し、それにともなって 筋肉全体を常に緊張した状態にしてしまうのです。 そして、この筋肉の異常緊張が骨格が歪んでしまう大きな要因の一つです。 ですから、どんなにがんばって筋肉を押したり、引いたり、伸ばしたり してみても、この沈着物を除去しなければ筋の異常緊張を取り除くことは できませんし、この沈着物が無くなれば嘘のようにそれまでカチカチに 緊張していた筋肉も緩んでしまいます。 以下省略 元記事→ 「腱の沈着物」 長くなってしまいますので、つづきは次回に。 <関連記事>   「筋肉と腱」   「腱の沈着物」   「側弯症」   「沈着物の成分(1)」   「沈着物の成分(2)」   「聖なる科学(1)」
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  「聖なる科学(3)」
  「聖なる科学(4)」
  「聖なる科学(5)」(最終回)
                                  白山オステオパシー院長