「望月新一教授」

  前回のブログにおいて「ABC予想を証明した望月新一氏は、まさにギフテッドと 呼ぶに相応しい方」と書きましたが、まずはウィキペディアから望月新一氏の 来歴と略歴です。 望月新一 来歴 父の仕事(ハーバード大学特別研究員)の関係で5歳で日本を離れ中学生時代に 1年間日本へ戻った以外はアメリカで育つ。 父親は日本人(日新製鋼USA元社長)、母親はアメリカ人、妹は美術史研究者。 フィリップス・エクセター・アカデミーに2年間在学し、16歳でプリンストン大学へ進学。 19歳で学士課程を卒業(次席)。 23歳で博士課程を修了しPh.D.を取得。 日本へ帰国後は京都大学に採用され助手(23歳)、同助教授(27歳)を経て、同教授 (32歳)に昇格。 略歴 1985年 フィリップス・エクセター・アカデミーを2年で卒業。同年9月プリンストン大学入学。    フィリップス・エクセター・アカデミーとは→  wiki 1988年 プリンストン大学卒業 1992年6月 プリンストン大学Ph.D. を取得(23歳)、指導教授はフィールズ賞を受賞した ゲルト・ファルティングス 1992年6月 京都大学数理解析研究所助手に就任 1996年8月 京都大学数理解析研究所助教授に就任(27歳) 1997年 日本数学会秋季賞受賞:代数曲線におけるグロタンディーク予想の解決(中村博昭、 玉川安騎男との共同受賞) 1998年 国際数学者会議 (ICM) 招待講演 2002年2月 京都大学数理解析研究所教授に就任(32歳) 2005年 日本学術振興会日本学術振興会賞受賞:p 進的手法によるグロタンディークの 遠アーベル幾何予想の解決など双曲的代数曲線の数論幾何学に関する研究 2005年 日本学士院日本学士院学術奨励賞受賞:数論幾何の研究 2017年12月 ABC予想を証明したとする論文が数学の専門誌に掲載される見通しになった。 この経歴だけでも十分に凄いのですが、望月新一公式サイトには望月教授が 日本学術振興会賞日本学士院日本学士院学術奨励賞を受賞した際に、京大 数理研の玉川安騎男教授が「日本数学会数学通信10巻1号」に書いた文章が 載っています。 その中で玉川教授は望月氏の人物像を、このように書いています。 普通の研究者(例えば私)であれば、ディオファントス幾何に関する結果をなるべく 早く形にして2006年のフィールズ賞に間に合うようにと考えるでしょうが、 望月さんは賞に対しては全くの無欲(というか、むしろやや否定的)で、十分時間を かけて基礎理論を満足のいくような形で完成させることに力を注いでいます。 また(A.Wilesがフェルマ予想に挑んでいた時などと違い)大予想の証明に向かう 途中の理論についても、全てプレプリントなどで公開しています。 それを見て誰かが先に証明してしまうのではないかという周囲の心配もどこ吹く風、 「自分の理論を理解して先に証明してくれるのであればむしろありがたい」と おっしゃっています。 ウィキペディアによるギフテッドの説明文には、 「ギフテッドとは外部に対する世間的な成功を収めることではなく、内在的な学習の  素質、生まれつきの学習能力を持つことを指す。」 という記述がありますが、望月教授の経歴、そして玉川教授が書いた望月氏に関する 人物像は、まさにギフテッドの特質そのものと言っても良いのではないでしょうか。 この世の中には、まだまだ世間一般に知られていないギフテッド達が数多くいると 思いますが、このような卓越した能力と人間性を兼ね備えた人たちこそ、今後 人類全体がより良い方向へと向かう手助けをしてくれるのだと思います。
                                  白山オステオパシー院長