「私の考察。」(動画もあり)

 
少し前の話しになりますが、大晦日(おおみそか)の「ダウンタウンのガキの 使いやあらへんで!」の特別番組「絶対に笑ってはいけない」において、 ダウンタウンの浜ちゃんがエディー・マーフィーさんをまねて黒塗りメークで 登場したことを日本在住の黒人作家が批判し、米ニューヨーク・タイムズ紙、 英BBCなども黒人差別だと批判的な報道をしました。 さらに意識高い系?の日本人も、それに追随しています。 しかしヤフーニュースなどのコメント欄では、これを差別的表現だと捉える人間 こそが差別主義者だという考え方が圧倒的ですし、私も同意見です。 浜ちゃんの黒塗りを批判した黒人作家に関しては、これまで差別されてきた側の 意見なので正当性があるかもしれません。 しかし今回の件を批判している白人に関しては、どうなのでしょう? 以前から白人が日本の着物を着ることに対して、欧米諸国では問題となることが たびたびありました。 例えば、 「ボストン美術館の『キモノ試着イベント』が中止に 理由は人種差別、白人至上主義?」 「米『VOGUE』芸者写真で『謝罪』騒動 日本人『これ何か問題?』」 上記のイベントや写真に対して当の日本人は全く気にしていない・・・というよりも、 むしろ好意的に見た人も多かったのではないかと思います。 私はこのようなニュースに対してこれまで非常に違和感を感じていましたし、彼らが 何故こういったことを、これほど問題視するのか理解出来ませんでした。 しかし今回の件を見ていて、実は文化盗用とは違った側面があるのではないか という気がしています。 やはり過去に植民地支配をしていた文化圏の人の中には、自分達の文化とは異質な 文化を、どこか野蛮なものだと考えている人たちが存在するのではないでしょうか? 例えば日本人男性が裸にペニスケースを付け、手に弓矢を持った姿でテレビに 登場したら、それを見た多くの日本人が差別的な表現と感じるかもしれません。 しかし、この姿も現在はその地域の人たちにとっては立派な文化であり、歴史的な 遺産です。 私は20代の頃にパプア・ニューギニアPNG)に2年間ほど住んでいました。 現在のPNGにそのような格好で生活している人はいませんが、1年に1度の フェスティバルの際には、普段スーツ姿で働いている男性も出身部族ごとに 独自のボディペイントをし、ペニスケースを付け、独自の装飾を身に付けて、 手に槍や弓矢を持ったりします。 また10代の女の子でも腰蓑をつけ胸を露わにして、トラディショナルダンスを 踊りますが、それを差別的だとか女性蔑視だとか言う人は、いませんでした。 要するに、日本人が祭りの際に半被を着て神輿を担ぐことと同じように伝統文化の 継承の一つなのです。 しかし現在のPNGを知らない多くの日本人は、こういったパプア・ニューギニアの 伝統的な衣装を、自分たちが勝手に作ったイメージから何となく野蛮なものと見て、 仮に日本人がこのような格好をしたならば、差別的な表現だと考えてしまうのでは ないでしょうか? 恐らく、日本の歴史や文化をよく知らない一部の欧米人にとって日本の着物は 「西洋文明に触れる以前の、まだ野蛮だった頃の日本人が着ていたもの」という 認識なのではないかと私は考えました。 それならば白人女性が着物を着ることで、あれほどのバッシングを受けることも 説明がつきます。 私の考えが的を射ているかどうかは分かりませんが、まずは相手の歴史や文化を 理解し現在の姿を知ることで、差別意識や偏見はかなり無くなるはずです。 最後にパプア・ニューギニアの映像がYouTubeにUpされていましたので、いくつか 紹介いたします。 一つはマヌス島の学校の50周年記念式典での、学生達によるマヌスダンスの様子。 もう一つはマダンでのパプア・ニューギニア独立記念日の様子。   上記の2つは日本人旅行者が2013年に撮影したものです。 更にマヌスダンスと並んで私のお気に入りだった、ミリンベイのタピオカダンス。 男性と女性が一緒に踊るタピオカダンスが最高なのですが、残念ながら見つける ことが出来ませんでしたので女性のみのバージョンです(こちらは2012年撮影 の映像でした)。 ちなみにPNGの中で、マヌスとミリンベイは共に美人が多いことで有名です。 PNGでは部族ごとに多種多様な踊りや衣装があり、映像の中で木をバチで叩いて いる楽器はガラムート、手に持って叩いている楽器はクンドゥーと呼びます。 Papua New Guinea, Manus Secondary school 50th anniversary Papua New Guinea Independence Day Celebration 16 Sep. 2013 Milne Bay - Tapioca Dance 世界中でその地域独自の文化が消えようとしている中、PNGほど若い世代に 伝統文化がしっかりと継承されている国は少ないかもしれません。