「阿・吽」

白山オステオパシーで施術をしていると、私の知らない様々な情報が 自然と入ってきます(集まってくる情報には若干?かなり?偏りがある感は 否めませんが・・・)。 先日は、またまた私へのお勧めマンガが届きました。 今回は当院で施術を受けている子のお母様からのオススメで、マンガの タイトルは「阿・吽(あ・うん)」。 このマンガは最澄空海の生涯を描いたもので、現在少年期から青年期の 第3巻までコミックが出ています。 最澄空海に関しては私も断片的な知識しかなく、その生涯がどのような ものだったのかはほとんど知らないため、この先の展開がとても楽しみです。 史実を題材にした小説やマンガは、実際に起こった事柄と作家さんの創作が ミックスされて作品となっているとは思いますが、それにしても史実にもと づいた作品を書く作家さんというのは、主人公に関することの他にも時代背景 など、いったいどれほどの資料を調べ上げて作品を描いていくのでしょうね。 歴史ものを読むときには、いつも感心してしまいます。

では今回は、この「阿・吽」の中にもその一部が出てくる、ブッダの 「犀(サイ)の角の経」の全文をどうぞ。 「犀の角の経」 交わりから愛着が生じ 愛着から苦しみが生じる。 愛着には、この危険があることを知り 犀の角のようにただ独り歩め。 朋友や仲間に憐みをかけると 心がほだされ、自分の目的を失う。 親しみには、この恐れがあることを知り 犀の角のようにただ独り歩め。 賢明な同伴者、あるいは 明敏な仲間が得られなければ 王が、征服した国を捨てて立ち去るように 犀の角のようにただ独り歩め。 じつに朋友を得るのはよいことである。 自分よりすぐれ、あるいは自分と同等な朋友に 親しむべきである。 こうした朋友が得られなければ、罪や過ちのない 生活を楽しみとし 犀の角のようにただ独り歩め。 じつに欲望は色鮮やかで甘美であり 心を楽しませ、攪乱する。 いろいろな欲望には、この本性があることを知り 犀の角のようにただ独り歩め。 欲望は、私には災厄であり、腫れ物であり 禍であり、病であり、矢であり、恐怖である。 もろもろの欲望には、この恐ろしさがあることを知り 犀の角のようにただ独り歩め。 寒さと暑さと、飢えと渇きと 風と太陽の灼熱と、虻(あぶ)と蛇と これらすべてに打ち勝って 犀の角のようにただ独り歩め。 人の集いを楽しみとする人は つかの間たりとも解放されない。 太陽の末裔(注)の言葉を心に刻み 犀の角のようにただ独り歩め。 貪らず、偽らず、渇望せず 欺瞞なく、穢れと迷妄を除き去り 世間に囚われることなく 犀の角のようにただ独り歩め。 品行悪く しっかりした目的を持たない友を避け 欲望に溺れる、怠慢な人に親しまず 犀の角のようにただ独り歩め。 学識を豊かにして、教えを守り 高潔にして、明敏な友と交わり 目的を定めて、疑いを持たず 犀の角のようにただ独り歩め。 遊戯や娯楽のような感覚的快楽に 心惹かれず、満足せず 虚飾を捨てて、真実を語り 犀の角のようにただ独り歩め。 「感覚器官が執着するものには、楽しみが少なく 心は満たされることがなく、苦しみが多い。 (それは)釣り針(=罠)である」と知る賢者は 犀の角のようにただ独り歩め。 水中の魚が、網を破り逃げ去るように 火が、すでに焼き尽くしたところに戻ってこないように いろいろな(迷いの)しがらみを振り払い 犀の角のようにただ独り歩め。 下を向いてさまよわず (欲望の対象から)感覚器官と心を護り (煩悩に)流されず、(煩悩の火に)焼かれず 犀の角のようにただ独り歩め。 これまでの楽しみと苦しみ 快さと憂いを捨て去り 平静に、沈着に 犀の角のようにただ独り歩め。 至高の目的のために励み こころ怯むことなく、怠らず 体力と知力とを具えて堅固に 犀の角のようにただ独り歩め。 人里離れての瞑想を捨てることなく もろもろのことについて、常に道理に従い 人生には煩いのあることをわきまえ 犀の角のようにただ独り歩め。 激しい執着をなくすために、注意深く、賢明に 学び、考え、教えを理解し 自制し、努力して 犀の角のようにただ独り歩め。 もの音に怯えないライオンのように 網に捕らわれない風のように 水に汚されない蓮のように 犀の角のようにただ独り歩め。 しかるべき時に慈しみ、憐れみ ものごとに平静で、くつろぎ、喜び 世間に束縛されることなく 犀の角のようにただ独り歩め。 貪りと怒りと迷妄を捨て 束縛を解き放ち 死を恐れず 犀の角のようにただ独り歩め。 人は、利益のために他人と交わり、他人に仕える。 今日、利益を求めない友は得がたい。 自分の利益のみを求める人は、汚らわしい。 犀の角のようにただ独り歩め。 (注) 太陽の末裔:ブッダの出身氏族であるシャカ族は、太陽から生まれでたとされる。                         スッタニパータ(今枝由郎訳)より