「北欧訪問記(9)」

ノーベル平和賞授与式が行われる、オスロ市庁舎

海に向け設置されているアーケシュフース城の砲台、乗っているのは地元の高校生くらいの女子達

ドッペルゲンガー!? 城壁の上に立った私とモリ君の影でした。

では、前回からのつづき。 ヴィーゲラン公園の次はトラムに乗り、市庁舎へと向います。 ノーベル賞の各賞、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和、経済学の6分野 のうち平和賞だけは、スウェーデンではなくノルウェー政府が授与主体となり、 このオスロ市庁舎において授与式がおこなわれます。 これはノーベル賞の創設者アルフレッド・ノーベルスウェーデンノルウェー 両国の和解と平和を祈念して「平和賞」の授与をノルウェーで行うことにした ためです。 市庁舎のあとは海沿いにあるアーケシュフース城へ。 こちらは城というよりは、オスロを海からの攻撃から守るための要塞として築造され 1308年から1716年のあいだに、スウェーデン軍に9度も包囲されましたが、 全ての攻撃からオスロを守り抜いたそうです。 現在は一般公開されており城壁の上に登ることもできますが、柵などは全くなく もし落ちたらケガでは済まないので要注意。 そのあと仕事があるモリ君と別れ、私は一人で王宮へと向います。

オスロフィヨルドに沈む夕日を眺める地元の人達

夕食はカオリさんの手料理

ノルウェーの正式名称は「ノルウェー王国」ですが、その名の通り国王がおり、 この王宮に住んでいるそうです。 現在の国王はハーラル5世、このハーラル5世は一般市民(デパート経営者の娘) と9年の交際を経て結婚したそうですが、その際は美智子さまを皇太子妃に迎えた 日本の皇室を参考に、協議を重ねたということです。 王宮のあとはオスロフィヨルドに沈む夕日を見るために、もういちど港へと 向います。 この日は穏やかな本当に素晴らしい天気で、港に設置してあるベンチには地元の 人たちが腰掛け、夕日を眺めていました。 夕日をしばらくボーッと眺めたあと、暗くなってきたので宿泊先のカオリさん宅へと 地下鉄で帰ります。 夕食はカオリさんの手料理。 ビーフ、サーモン、ポテト、スープ、サラダ、パンにノルウェーのビール、 名前は忘れましたがサーモンなどにかけたノルウェースタイルのソース、 どれもとても美味しかったです。 食後は私がカオリさんにオステの施術、カオリさんがトムさんにも勧めましたが 「僕は遠慮しておきます。」トムさん、マッサージ系を受けるのはあまり得意では ないそうです。

「叫び」のプレート

このあたりが「叫び」の舞台かな?

丘からはオスロ市内を一望することができます。

2月16日(火) 前日が快晴だったこともあり、朝は放射冷却現象でかなり冷え込みました。 最低気温はマイナス18℃、ただこの日も天気が良かったこともあり日なたでは それほど寒さは気になりませんでした。 朝食には、パンの他にカオリさん手作りのノルウェーワッフルが出てきました。 ベルギーワッフルは知っていましたが、ノルウェーワッフルは初めて。 こちらはベルギーワッフルと比較すると、柔らかくてモチモチした食感で、 中にカルダモンを入れるのが特徴だそうです。 甘さも控えめで日本人好みではないかと思うので、そのうち日本でも流行るかも。 その後、中央駅でモリ君と合流しバスで向かったのはムンク「叫び」の舞台と なったと言われている、オスロ中心部から2kmほどの所にある「エケベルグの丘」。 いったん丘を登りきり更に反対側を下っていくと、「叫び」の舞台と言われている 場所があり、「叫び」のプレートが設置してあります。 「叫び」の背景はかなり抽象化されているため、「このあたりかな?」という ところで写真を撮ってみました。 この丘はオスロ市内を一望できるため、夜になると夜景もきれいだそうです。

市内を流れる川には、滝もあります。

下校途中の小学生の一団。

店先にいたノルウェーの妖精トロール

丘のあとはトラムに乗ってオスロ市内東側に向かい、市内を流れる川沿いを上流 へと歩きます。 オスロ中心部からそれほど離れていないにも関わらず、途中には滝があったり して、オスロというのは海は近いですが坂の多い街のようです。 川沿いを歩いていると下校途中の小学生に遭遇。 その中の一人の白人の女の子が「ニーハオ!」と声を掛けてきたので、モリ君が 「ニーハオ!」と返すと、誰かを呼びに走って行きました。 彼女と一緒に来たのは、中国人らしき女の子。 私たちが「ニーハオ」と声をかけると、中国人の女の子もはにかみながら 「ニーハオ」、彼女を呼びに行った白人の女の子は、大喜びでした。 30分ほど川沿いを上流に向かって歩いたあと、今度は湾の中にある島へと 向かうため、港の方向へ向かうトラムに乗ります。

フェリーから見たオスロ市庁舎

島にある伝統的な草屋根の家

島では地元の人がのんびりと釣り。

港に到着し、以前モリ君も住んでいたという湾の中にある島の一つへと向かうため オスロ市庁舎の前にあるフェリー乗り場から船に乗り込みます。 この島は市内からフェリーで30分ほどのところにあり、この島から市内へと 通勤、通学する人もいるそうです。 ちなみにこのフェリーも、私がオスロに着いて最初に購入した1週間券で乗ること が出来ます。 島に到着し周辺を歩いてみますが、島内は比較的大きな家が点在しモリ君の話では このあたりは、ある程度経済的に豊かな人たちが住んでいる地域だそうです。 島内の家の中には屋根の部分に土を盛り、そこに草が生えている家がありました。 これはノルウェーの伝統的な屋根のスタイルだそうで、これで断熱などをして いるそうです。 島内を散策したあと次の便で本土へと戻り、モリ君は仕事へ、私は国立博物館へと 向います。 つづく。