「なぜ謝る?」

最近、過去に当院の施術を受けて症状が改善し、久しぶり(例えば1年ぶりとか2年ぶりとか)に電話をかけてきた方が、予約をする際に「ご無沙汰して、すみませんでした。」と、電話口で謝るという経験が何度かありました。

オステオパシーはリラクゼーションのためのマッサージではないのですから、身体の状態が改善して当院を卒業してくれるというのは私にとっては喜ばしいことであり、決して謝られるようなことではないのですが・・・。

 

アンドルー・ワイル博士の著書「癒やす心、治る力」の中で、私の尊敬するオステオパスであるDr,フルフォードについて書かれた部分に、こんな一節があります。

 

患者の手放しかたも見事だった。

「今度はいつくればいいですか」

治療台から降りながらそうたずねる患者に

「もうこなくていいい。きみは治った。」と博士は言う。

「でも、仕上げが必要なのでは?」

と不安がる患者には、にこっと笑い、首を振りながらこう答える。

「きみの体の中のショックはわたしが取り除いた。あとは母なる自然の仕事に任せようじゃないか。」

もしフルフォード博士の患者になにか不満があるとすれば、それはもう博士に会えなくなるということかもしれない。

 

 

以上が「癒やす心、治る力」からの抜粋ですが、この「きみは治った。」と言われた患者さんが、命が尽きるまで何の問題も無く過ごすことは、おそらく無いのではないかと思います。

普段の生活習慣、精神的ストレス、物理的なショック、加齢などなどで、しばらくしてから再度なんらかの不調をきたすということは、ほとんどの人にとっては自然なことではないでしょうか。

そんなとき、再度来院した際に謝る必要は全くありません。

おそらくDr,フルフォードも、そんなことは望んでいなかったでしょう。

 

風邪をひいて1年ぶりに病院に行ったときに、お医者さんに「ご無沙汰して、すみませんでした。」と、言うことは無いですよね。

 

最初にも書きましたが、何らかの症状で来院して身体の状態が改善し、当院を卒業してくれるというのは私にとっては喜ぶべきことです。

残念ながら、今の私にはDr,フルフォードのように「きみは治った。」と断言できるほどの実力が無いため、「おそらく、もう大丈夫でしょう。」程度の言い方になってしまいますが。

 

もし過去に当院に来ていた方で、現在なんらかの不調があるが、

「もう、ずいぶんと間が空いてしまったため連絡しづらいな~。」

と思っている方がいましたら、心配は無用ですのでどうか連絡してください。

 

なお、参考までに当院のホームページにはこのような記載もあります↓

「症状が改善した方も、年に1~2回程度は体調管理と体の状態をチェックする為に、

オステオパシー施術を受けることをお勧めします。」